第一幕その十二
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「僕としては」
「残念だよね」
「全くだよ」
こう言うのでした。
「いつも思うことだよ、イギリスも素晴らしいものは沢山あるけれど」
「お料理については」
「お世辞にもだからね」
「基本カレーがあったらね」
「それで済ませるところがあるしね」
そうだというのです。
「だからね」
「このこともだね」
「本当にね」
「イギリス料理は弱いね」
「イギリス生まれの僕としては」
先生は少しの苦笑いのまま言いました。
「やっぱりね」
「そのことが残念だね」
「今後に期待するよ」
こう言うのでした。
「今はそうでもね」
「これから努力すればだね」
「変わることは出来るから」
それでというのです。
「イギリス料理のこれからにね」
「期待するんだね」
「フランス料理だってね」
有名なこの国のお料理もというのです。
「最初はね」
「酷いものだったね」
「それが変わったからね」
「確かね」
王子は少し神妙なお顔になって応えました。
「イタリアから王妃さんが来てからだね」
「フィレンツェからね」
「カトリーヌ=ド=メディチさんだったね」
「あの人が来てね」
そうしてというのです。
「ルネサンスの頃のイタリアの素晴らしい料理を伝えて」
「フランス料理も変わったね」
「そうだよ、だからね」
「イギリス料理だって」
「今はあまりよく言われていないけれど」
それでもというのです。
「将来はね」
「わからないね」
「努力したら」
「美味しくなるね」
「きっとね、カレーだってね」
今自分達が食べているこの料理もというのです。
「インドからイギリス、そしてイギリスからね」
「日本に伝わっているね」
「ビーフシチューだってそうだしね」
「イギリスから日本に伝わっているから」
「だからね」
そうであるからだというのです。
「よくなる下地はある筈だよ」
「その下地をどうするかだね」
「うん、他の国のお料理も取り入れて」
そうもしてというのです。
「学んでいって」
「よくしていくんだね」
「そうだよ、そうしていけば」
先生は王子にお話しました。
「よくなるよ」
「そういえばイギリス料理を日本で作ったら」
「イギリス料理のメニューをだね」
「美味しいっていうね」
「だからね」
それでというのです。
「下地もあるし」
「努力することだね」
「美味しくなる様にね」
イギリスから日本に伝わったカレーを食べつつ言います、そのカレーはとても美味しくて先生も皆も満足しました。
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