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ドリトル先生と奇麗な薔薇達
第一幕その七

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「暴力なんてね」
「絶対に振るったら駄目ですね」
「振るっていい理由なんてね」
「ないですね」
「そうだよ、暴力はどんな力か」
 暴力についてです、先生はトミーに具体的にお話しました。
「それはだよ」
「感情に基づいて人を傷付ける力ですね」
「理性のないね、独裁国家でもあるね」
「弾圧や粛清ですね」
「人を強制的に従わせる為にだよ」
 そのことを目的としてというのです。
「振るうね」
「そうした力ですね」
「だからね」
 先生はさらにお話しました、勿論先生もカレーを食べています。
「決してだよ」
「認めてはいけないですね」
「家庭の中で感情的にね」
「ご家族を殴ったり蹴ったりとか」
「支配する為にね」
「そうしてもですね」
「同じだよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「あってはならないことですね」
「暴力を振るうなら」
 先生は強い声で断言しました。
「それはもう犯罪だよ」
「そうなりますね」
「そうだよ、そこに正当な理由はないよ」
「そうですね、ですが」
「暴力を振るう様な人でもだね」
「結婚出来るんですよ」
 世の中はというのです。
「そうした人と比べたら先生は」
「恋愛、結婚をする資格はあるんだ」
「そういうものに資格いるの?」
 ここで言ったのはチーチーでした。
「そもそも」
「いらないよね」
「そうよね」
 チープサイドの家族も言います。
「聞いたことないわ」
「法律でもね」
「昔は身分があったけれど」
 ジップはこちらをお話に出しました。
「今はイギリスでも身分があっても」
「恋愛や結婚自体は出来るわ」  
 ポリネシアが言いました。
「もうね」
「ましてや日本なんてね」
「恋愛の自由は保証されてるからね」 
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「思想、信条の自由もあって」
「信仰も自由もあってね」
「それで恋愛したら駄目ってないでしょ」
 ガブガブはきっぱりと言い切りました。
「誰にしても」
「誰かに恋愛をする資格が言える人って」
 ダブダブは首を傾げさせて言いました。
「もう何なんだろうね」
「恋愛することが高望みとか愚かとか言うなら」
 トートーは少し怒って言いました。
「言う人はどうなんだろうね」
「そんなこと言える位偉い人って」
 ホワイティは考えて言いました。
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