第二十二話 焼肉を食べてその九
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「誰もがね」
「そうだね」
「だから」
そうであるからだというのだ。
「皆がね」
「必要なんだよ」
「僕達は」
「まあそうだな」
ガストは確かにと頷いた。
「俺だけじゃどうにもならない時もあった」
「戦っていてだね」
「国はこいつ等がいてくれてな」
アッカたちを見て話した。
「そしてな」
「戦隊としては」
「この面子がいてな」
仲間達を見回しての言葉だ。
「そうであってな」
「それでなんだ」
「ああ、さもないとな」
それこそというのだ。
「あの野郎も倒せなかった」
「そうでありますな」
ディボウスキは大きな肉を口の中に入れて実に美味そうに食べてマッコリも飲んでから笑顔で話した。
「若しここにいる誰かがいなければ」
「一人でもだね」
「とてもです」
こうハスティーに応えた。
「勝てませんでした」
「そうだったね」
「一人いなければ」
そうであればというのだ。
「それもラクレス殿も含めて」
「私もか」
「はい、ラクレス殿の貢献も大きいです」
ラクレス本人にも話した。
「あの者の弱点を教えてくれたのですから」
「だからか」
「はい、まことに」
「まさか隙を伺っていたとは思わなかったわ」
ランも肉を食べつつ言う。
「本当に本心からね」
「国を売ったとか」
「自分さえよくてね」
それでというのだ。
「そうだと思っていたわ」
「そうだったか」
「けれど見事に騙されたわ」
「敵を騙すには味方からだ」
ラクレスは苦い顔で答えた。
「そう考えてだ」
「徹底的にだったのね」
「私は私以外の者を欺いていた」
そうだったというのだ。
「ダグデドを倒す為にな」
「見事だった」
カニスカはそのラクレスに告げた。
「その芝居はな」
「そう言ってくれるか」
「私も騙されたからな」
それ故にというのだ。
「そうだ」
「言ってくれるのだな」
「お陰でダグデドを倒せたからな」
「だからか」
「言わせてもらう」
まさにというのだ。
「私もな」
「そうなのか」
「それ故にだな」
ブランエリはレバーを食べながら笑って言った。
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