兄よりも父になりたかった
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す。
ラッセルが10年近く母子家庭であった事は訊いてたが、お二人は息子さんが芸高校に入学し、故郷の実家を出てから婚姻届を提出し夫婦になったとの事です。
何でそんな事をしたのかと尋ねたら、お義父さまが……
「俺とラッセルは11歳差なんだが、幼い頃からの知った仲で、所謂幼馴染みになるんだが……俺は俺でガキの頃からラッセルの母親に惚れていて、彼女目当てでラッセルと遊んでたから……」
結構複雑(笑)
私の家系も複雑だと自負してるけど、夫の実家も中々のモノねぇ。
だからといって、私の家系の複雑さを教えてしまうワケにもいかないわ。
「『アンダレ兄ぃ』と呼ばれ続けてきたのに、今更『アンダレパパ』って呼ばれたかったって言い出せなくて……恥ずかしいからね!」
「理由がくだらなすぎる! その所為で俺は母の結婚式に参列出来なかったんだぞ!」
「えっ! なに、それ!? 如何言う事??」
「役所に婚姻届等を提出して形式的に親子になった……のに、恥ずかしくて結婚した事すら伝えられず結婚式の当日に案内状とかが郵送されてきて……俺は俺で学校とかがあるし、理解が出来ないまま数日が経過してしまい気が付けば俺はまだFNが“クリステンセン”のまま……」
「ち、因みに……今は何て呼んでるの?」
「形式張ってる場合は勿論『義父』だけど、身内同士での呼び名は『アンダレ』になるよね……そりゃぁ!」
アンダレパパじゃぁ無いんだ。
……と残念を噛み締めながら食事会は進んでいった。
当然だけど現状の私の事とかも話題に上る。
学生の身でありながら既に起業している事や、元々はラインハット出身である事など……
だが次第に話題がお義父さまの仕事に移り変わっていく……
すると夫とお義母さまの顔から少し光が失われる。
これは当然何かあるのだろう……言葉に注意しながら発言せねば。
そう覚悟を決めて夫と義両親の話に集中した。
それで聞き出した……と言うと横柄に聞こえるが、語ってくれた内容としては、現状は村内の郵便局で配達員として給料を貰い生計を立ててる。
覚悟を持って聞き出したら思っている程には深刻じゃ無く少しだけ肩透かしを喰らった感じです……変に問題があるよりも遙かに良い事だけどね!
お義母さまは村内の衣料店(知人の店)で仕立てや手直し等をして、僅かながらだが生計を立てていたそうです。
息子が芸高校に行きたがってる事は知ってたから、それに
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