世の中そんなに自信に満ち溢れている人ばかりじゃ無い
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
(グランバニア王都:中央地区・アマン・デ・リュムール)
リューナSIDE
少しだけ値段は張るのだが、味に関しては自信が持てる“アマン・デ・リュムール”!
そこで最初こそはアルバイトのウェイトレスとして働いていたリューノ。
元々料理に興味があり、親交のある近衛騎士隊長のラングストンさんに習っていた為、短期間で“ウェイトレス兼パティシエ”になる事が出来、現在ではファンも居るくらいの人気パティシエになっている。
かなり目立ってきたお腹を愛おしげに摩りながら仕事をしている。
店長を含め、お店の同僚も妊娠の事は理解しているから互いに支え合い業務を行っている。
しかも殆どのお客さんが彼女の妊娠の事は知っているので、誰も強引な事等はしないし言ってもこない。素晴らしい職場である。
まぁ、まだ彼女は学生であり……
本来ならばアルバイトとしての立場しか貰えないのではあるが、色んな事情と力が働いて、この若さで社員扱いとして普通に仕事をしている。
日曜日ではあるものの一人でお店に訪れた私に気付いたリューノが、気を利かせて店の奥にあるあまり目立たない席へと案内してくれる。
彼女は本当に気が利くイイ女ってやつだ。
私は簡単に、サンドウィッチとケーキセットをオーダーし、暫しの間料理の到着を待つ。
そして到着した料理を私の血肉へと変換させる。
本来ならばそこで私のランチは終了なのだが、今回は相談があっての来店だったから、私は小声で『仕事、何時に終わる?』と確認し、仕事終わりに会う約束を取り付けた。
彼女のその日のシフトは9:00〜17:00だった為、まだ12:30を過ぎたくらいじゃ終わりそうに無かったのだが、アマン・デ・リュムールの店長“アントワーヌ・ドゥバイヨル”さんが気を利かせて『ランチタイムが過ぎて客足が遠退いたら、15:00頃までなら長時間の休憩に入って良いよ』と許可を出してくれて、結果的に13時過ぎたくらいから、お店の奥の人目に付かない様な席でリューノに相談する事が出来ました。
勿論相談内容は近日中にご挨拶をさせてもらうラッセルのご両親の事だ。
「な、何が問題なの?」
リューノに相談内容を伝えた結果の反応が今の台詞。
「だ、だって……」
思わず言い淀んで言葉に詰まる。
「言っちゃなんだけど、私達って遺伝子のお陰で容姿的に随分と優遇されているわよ!」
確かにその点は気付いているけど……
「それって自分の努力じゃ無いわよね。私もリューノも父親の遺伝子が良いからの結果でしょ? 序でに付け加えちゃえばお互い母親も美人じゃん。私達自身の努力は何処にも存在しないのよ!」
「自分の努力が感じ取れないから美貌の部分は却下って言うのなら、
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ