第三部 1979年
迷走する西ドイツ
卑劣なテロ作戦 その2
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を履いていた。
背中に赤い鞘の刀を一振り背負っており、手にはドラムマガジンの機関銃を引っ提げていた。
もう一人の男は、灰色の長袖開襟シャツに、黒のスラックス。
右手には、火のついたタバコ。
左手で、30連マガジンのついたM16A1自動小銃のキャリングハンドルを握っている。
「う、撃てッ!
て、敵は、た、たった二人だ……」
その場にいる賊の全員が銃を向けるも、硝煙の一つも上がらなかった。
白い戦術機を追い返そうとして、銃弾も手投げ弾も使い果たしてしまったのだ。
M16を持った男は、小銃を向けながら、不敵の笑みを浮かべる。
タバコを地面に投げ捨てると、こう切り出した。
「撃てないなら、消えてもらうぜ」
ドゥチュケは恐怖して、悲鳴をもらした。
「ひッ!!」
その叫びも終らないうちに、後ろにまわっていた男の手から、戛然、大剣は鳴った。
ドゥチュケの首すじへ振り落され、ぱあっと、すさまじい紅の閃きが光った。
つづいて、逃げようとした別の者たちの首も、一刀両断のもとに転がっていた。
剣を振るったのは、白銀だった。
正面に立ってすさまじい血煙を被ったマサキは、強いて豪笑しながら、こう嘯く。
「あははは。
俺の命を狙わねば、こんなことにはならなかったものを……」
しかもさすがに、そこの惨劇からは、眼をそらした。
やがて白銀の肩を叩くと、大股でゼオライマーの方に立ち去っていく。
陽光の中に浮かび上がった屍に、地面をどす黒く染める血の池。
その中から白銀は、その首を取ったかと思うと、ふたたびマサキの元へ馳けもどった。
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