第十二章
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「それではな」
「今からだね」
「打てる手を打っていく」
「そうするね」
「そうだ、その為にもな」
「あの娘のところに行って来るよ」
「宜しく頼む」
こう話してだった。
キューンは彼女のところに向かった、浮世はその彼を見届けてからそのうえでジーンに対して言った。
「お前は何処も行かないか」
「俺はお前の推しだからね」
ジーンは浮世に笑って答えた。
「だからだよ」
「それでか」
「うん、英寿と一緒にいるよ」
「そうしてくれるか」
「ずっとね」
「私もです」
ツムリも言ってきた。
「英寿様とです」
「一緒にか」
「いていいですね」
「宜しく頼む、そしてだ」
「デザイヤグランプリで、ですね」
「勝とう」
「はい、そうしましょう」
ツムリは笑顔で応えた、そうしてだった。
三人はその場に残った、そして鞍馬のところにだ。
キューンは来た、丁度外で動画の収録をしていたが。
キューンを見てだ、鞍馬は驚いた顔になって言った。
「貴方初対面だけれど」
「それでもなんだ」
「何処かで会った気がするわ」
「お嬢様のお友達でしょうか」
「大学の」
「いや、他の何処かで会った様な」
ボディーガード達に答えた。
「少なくとも完全に赤の他人じゃないわね」
「そうですか」
「どなたかと思いましたが」
「ええ、それで貴方は」
キューンに顔を向けて尋ねた。
「一体どなた?」
「キューンんだよ」
キューンは微笑んで自分の名前を素直に答えた。
「君の推しだよ」
「動画の」
「そうしたところだよ」
「そうだったのね」
「そうなんだ、それで応援していくから」
今は仮面ライダーそしてデザイアグランプリのことは話さずに言った。
「頑張ってね」
「有り難う、動画は毎日配信していくから」
「このまま推しでいていいね」
「勿論だよ、それじゃあね」
「ええ、応援していってね」
鞍馬は自分が気付かないままキューンに応えた、そうしてだった。
二人は今は別れた、そしてだった。
そのうえでだ、鞍馬は動画の作成に戻った、この時はキューンのことは忘れていたがやがてこの時のことを強く思うことになった。
五十嵐家の面々はバイスから話を聞いてだ、一家全員顔を顰めさせた。そうして夕食のカレーを食べていたが。
父の元太がだ、最初に言った。
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