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ハッピークローバー
第百三十三話 創作ダンスの後でその四

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「私好きだけれど」
「他の国にはないな」
「日本のね」
「大阪でだよな」
 自分達が住んでいる街でというのだ。
「出来たんだよ」
「そうみたいね」
「俺そう聞いたよ」
「私もよ、となるとね」
「オムライスも大阪名物か」
「そうね、若しかしたら」
 かな恵は笑って言った。
「織田作之助さんもね」
「オムライス食ってたか」
「あの人もね」
「そうかも知れないんだな」
「戦前らしいから」
 オムライスが世に出たのはというのだ。
「それで大阪ならね」
「オダサクさんも食ってたかも知れないか」
「あのお店でカレー食べてたのは間違いないし」
 自由軒でというのだ、この店は千日前にありその頃の店の雰囲気を今にも残していることでも知られている。
「それでね」
「オムライスもか」
「ひょっとしたらね」
「それは面白いな」
「そうよね、若しかしたらだけれど」
「あの人カレーだけじゃないか」
「結構色々なもの食べていたから」
 それを作中でも書いている、織田作之助の作品の特徴の一つでもある。
「あの夫婦善哉もね」
「法善寺横丁のあの店な」
「あと鰻とか関東煮とかも」
「色々食ってるな」
「それでね」
「若しかするとオムライスもか」
「そうかもね」
 鳴海に笑って話した。
「千日前とか法善寺でね」
「そうだったんだな」
「それで今度ね」
 かな恵は笑顔のままさらに言った。
「オムライス作ろうかしら」
「いいな、ケチャップかけてな」
「それでよね」
「食べるんだよ」
「いいわね、あとね」
「あと?」
「オレンジライスじゃなくてドライカレーにしてもね」 
 オムレツの中のライスをというのだ。
「いいしそこにさらにルーをかけてもね」
「カレーライスにしてもか」
「美味しいわよね」
「言われてみるとな」
 鳴海は食欲を感じて応えた。
「かなりな」
「そうよね」
「俺的にはな」 
 かな恵にさらに言った。
「カレーもいいな」
「鳴海っちも?私もね」
「ああ、ドライカレーにしてな」
「ご飯をね」
「そこにルーをかけてもな」
「いいわよね」
「それでな」
 さらに言うのだった。
「二人で食うか」
「オムライスもカレーにしたのも」
「どっちもな」
「今度鳴海っちがうちに来たらね」
「オムライス作ってくれるんだな」
「それで一緒に食べよう。ただお父さんとお母さんいなくても」
 それでもというのだった。
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