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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第209話:届かぬ説得
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ルカノイズの動きを封じた鎖。それに覚えがある切歌は顔に笑みを浮かべ、対照的に突然の事にミラアルクは顔を引き攣らせる。
 その間に動きを封じられたアルカノイズだけでなく、周囲に蔓延るアルカノイズ達も飛来した銃弾により体を撃ち抜かれ消滅していった。

「お待たせっと」
「すまない、遅くなった」

 現れたのはウィザードに変身した颯人とキャスターに変身したガルドであった。ガルドが魔法でアルカノイズの動きを封じ、動きの止まったアルカノイズを颯人が撃ち抜いたのである。

 2人が現れたのはミラアルクを挟んで切歌と調の反対側。つまり、ミラアルクは4人に囲まれる形となった訳である。逃げ場を失い、またパナケイア流体の淀みが進行し目に見える形で体調が悪化したミラアルクは脂汗を浮かべて颯人達と切歌達を交互に見やる。

 彼女の様子から大分限界が近くなってきている事を見抜いた颯人は、ここで少し揺さぶりをかけてみることにした。貪欲に生存の為に動けるのであれば、よりリスクが小さい方を選ばずにはいられない筈である。

「辛そうだな」
「あぁ?」
「そろそろ、稀血で透析する必要があるんじゃないのか?」
「ッ!? お、お前、何で……!?」

 颯人の言葉にミラアルクは目を見開く。自分達が稀血を手に入れようとしている事は、前回ケースを置いて来てしまった事から予想が出来た。だがその稀血を自分達に使うと言う発想にまで至るとは思っていなかった。

 何故颯人達が自分達の体をの事を知っているのかと警戒するミラアルクだったが、彼らが旧パヴァリア光明結社の幹部と親しくしていたと言う情報を思い出しそこから自分達の事を知ったのだと言う結論に達した。

「そうか……元結社の連中に……」
「ん〜、まぁ間違ってはいないか。でも今重要なのはそこじゃねえんだ」
「何?」

 一向に話が進まない事に苛立ちを見せるミラアルク。そんな彼女に調が颯人に代わる様に声を掛けた。

「あのッ!」
「今度は何だゼッ!」
「あなた達の体、治せるかもしれないのッ!」
「だから、私達に付いて来て欲しいのデスよッ!」
「…………は?」

 ミラアルクは一瞬何を言われているのか分からなかった。だが切歌と調の言葉の内容が頭に沁み込むと、それが意味する事に気付き肉体を苛む苦痛も忘れて調達の方へと歩み寄った。

「な、治せる? これを……?」
「うん」
「私達の仲間に、腕の立つ錬金術師が居るのデス! その人に診てもらえば……」

 やはり彼女達は望まずしてあの体になったらしい。治療を条件にチラつかせれば直ぐに心が揺れ動いた。このまま説得して降伏させ、本部に連れて帰る事が出来ればジェネシスに関しても情報を得られると思ったその時、突然調の背後にゲートの様なものが開いたのを颯人
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