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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第209話:届かぬ説得
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に佇んでいたセレナは、何かを決意したように顔を上げるとその場を離れた。彼女が向かう先は、食堂とは反対方向であった。




***




 一方その頃、本当に偶然にも公園に立ち寄っていたら近くの病院にミラアルクが降り立つのを見た切歌と調の2人は、途中看護師に呼び止められながらもエレベーターで病院の屋上へと向かっていた。

『今颯人君にも伝えたわ。そう遠くない内にそっちに増援が行く筈だから、無理はしないでッ!』
「はいッ!」
「了解デースッ!」

 あおいから増援が来ることを知らされた2人は、何の憂いも無くミラアルクとの戦いへと臨んだ。エレベーターが屋上に到着し、扉が開くと正面にミラアルクが佇んでいるのが見える。

 その姿を見た切歌は、開口一番ミラアルクへと警告の言葉を発した。

「待つのデスッ! 事と次第によっては、荒事上等の私達デスがッ!」
「その前に、あなたの目的を聞かせてくださいッ!」

 ミラアルクがジェネシスに与している事は最早分かっている。だから所属までいちいち聞くような事はしない。本当に聞きたい事は、彼女達の目的だ。ジェネシスなどに手を貸し、世間を乱してまで彼女達が求めるものとは? やはり人間としての普通の体を取り戻す事なのか? その事を問い質す必要があると思っての問い掛けであったが、些か性急に過ぎた感は否めない。

 調からの問い掛けに聞く耳持たずと言った様子で、ミラアルクはアルカノイズの召喚結晶を周囲にばら撒いた。

「そんな悠長、こっちには無いんだゼッ!」

 次々と姿を現し病院の屋上を埋め尽くす勢いで増えるアルカノイズ。それを見て、2人は物怖じすることなくシンフォギアを身に纏った。

「Various shul shagana tron」

 シュルシャガナとイガリマをそれぞれ纏った2人は、並居るアルカノイズを次々と切り裂き殲滅していく。元々事切断と言う事に関しては他の追随を許さない2人の攻撃、コンディションも万全の2人を木端なアルカノイズ程度で止められる筈もなく、数も理不尽と言う程ではないので苦も無く殲滅していく。

 しかしその中には粒とも言える目を引く戦力はあるものであり、まるでバナナの様なアルカノイズが2体、屋上を高速で滑る様に移動しながら切歌の回るを動き回り翻弄していた。

「くッ! このッ!」

 バナナの様なアルカノイズは尾の様な部分の先端にある解剖器官で切歌を攻撃する。対抗する切歌であったが、得物が長いが故のレスポンスの遅さでイマイチ有効な反撃を叩き込む事が出来ないでいた。
 次第に切歌の顔に焦りが浮かびだした時、突如2体の体が無数の鎖で縛り付けられた。

〈バインド、プリーズ〉
「あっ!」
「何だゼッ!?」

 突然現れてア
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