暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第209話:届かぬ説得
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白魚の様な指が無骨なガルドの指に絡まる。彼女の手の温もりと柔らかさに、ガルドは愛しさに頬を赤く染めた。見るとセレナの方もほんのり頬を赤くしている。
気付けば2人はそのまま互いに引き合う様に顔を近付けていき――――
「良い雰囲気のところ悪いがガルド、仕事だ」
「どわっ!?」
「キャァッ!?!?」
出し抜けに2人の間を覗き込むようにして声を掛けてきた颯人に、ガルドとセレナは同時に面食らい飛び上る様にして離れた。早鐘を打つ心臓を押さえるセレナを優しく抱きしめながら、ガルドはいきなり声を掛けてきた颯人に色々な意味を込めて抗議した。
「いきなり顔を出すなッ! 心臓止まるかと思っただろうがッ!」
「悪い悪い。ただちょっと終わるのを待ってられる状況じゃなかったんでな」
そこで2人は2人だけの時間を颯人に見られていた事に気付き、恥ずかしさに揃って顔を真っ赤にした。普段であればもう少しその様子を楽しんでも良かったのだが、今回ばかりは颯人も長々とおちょくるような事はせず端的に話を進めさせた。
「今言ったばっかだけどもう一度言うぜ。ガルド、仕事だ」
「仕事……って事は、動きが?」
「あぁ、切歌ちゃんと調ちゃんのお手柄だ」
何でも交代で待機任務から解放された切歌と調は、偶然にもミラアルクが病院に襲撃を掛ける瞬間に出くわしたらしい。どういった偶然か、2人が立ち寄っていた公園の直ぐ近くにある病院の屋上にミラアルクが降り立つのを見て、2人は先行してミラアルクに戦いを挑むとの事だ。
「本来なら2人だけでいきなり戦わせるなんてしねえんだけどな。今回は場所が場所だ。時間かければそれだけ逆に被害が増えちまう。ってんで、あの2人には一足先におっ始めてもらってる」
「それを俺達で援護しろって事か」
今回の戦場は病院だ。下手をすれば何時も以上に民間人に被害が出てしまう。病院には満足に動けない人も大勢いるのだ。きっと切歌と調も病院への被害を抑える為、出せる力は限られる筈。そこを颯人とガルドが2人で援護するのである。
上手くいけば病院を守ると同時に、ミラアルクの身柄の確保も上手くいくかもしれない。この機を逃す道理はなかった。
状況を理解したガルドは、セレナに出撃する事を伝えた。
「そう言う訳だ。セレナ、行ってくる」
「うん、気を付けてね」
「あぁ」
2人が挨拶を済ませるのを待って、颯人はガルドと共に転移の魔法でその場から姿を消した。後に残されたセレナは、ガルドの姿が見えなくなるとそれまで抑えていた心の苦しさを吐露する様に俯き大きく息を吐いた。
「ガルド君…………」
セレナは切に願った。力が欲しい。愛するガルドや姉の足手纏いにならず、2人を支えられるような力が欲しいと。
暫くその場
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