3話
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人だったら、そのギャップが逆に唆られない?
うん、全然アリだな。結婚したい。
俺が陽キャだったら、間違いなくナンパする。
そして冷たくあしらわれたい。
隠キャな上にコミュ症だから無理だけど。
そんな失礼な事を試合後の控え室で考えていたら、トントンとドアをノックする音が聞こえた。
「グレイ?シロナです。試合後に申し訳ないけれど、少しいいかしら?」
エッ
「ああ、構わない」
いや構うんだが。
何故こうも俺の口は俺の意志に反すの?
反抗期?
「ありがとう。どうしても貴方と話がしたかったの」
「そうか」
「あの時の事、お礼を言いたかったの。」
「お礼だと?」
「ええ。私はバトルの最中にも関わらず試合を諦めた。グレイの、貴方のポケモン達の強さに怯えて勝てないとバトルを放棄した。でも貴方が教えてくれた。ガブリアスはまだ諦めてない。私の相棒は、まだ戦う意志を失ってないって。だから、お礼を言わせて。貴方のお陰で私は大事なものを失わずに済んだ。そして、大切な事に気が付けた。本当にありがとう」
そう言って、深々と頭を下げるシロナさん。
俺はそれを見て、何の事かと考える。
ああ、あの時のあれね。
はいはい、覚えてる覚えてる。
......俺、そんな事言ったっけ???
確かに途中でシロナさんがバトルを辞めそうになってて、腰のモンスターボールが怖いくらいにグルングルン暴れて回ってたので、え、それ大丈夫?その子めっちゃ戦いたがってない?と思って声を掛けたのは覚えている。
そしてそれと同時に触発されたのか、俺の腰のモンスターボールの一つがグルングルンと暴れ出したのだ。
そのモンスターボールに入っていたのがモルペコだ。
最初、野性できの実を食べてる所を発見した時は、何だこのピカチュウモドキはと思った。
そして物珍しさで捕まえてしまったのが運のツキだった。
だってこいつ、めっちゃバトル狂いなんだよ。
はじめの頃はバトル中は常に早く出せとモンスターボール越しに訴えるように暴れるし、いざ出すとこっちの指示も無視して好き放題技を繰り出していた。
何度も話し合った末、何とか最低限言う事は聞いてくれるようにはなったが、何如せんこのモルペコおかしいくらいに強い。
その上、手加減というものが出来ないので、余りに実力が離れていると相手のポケモンを完膚なきまでに叩きのめしてトラウマを植え付けるのだ。
なので、下手な相手にはモルペコは使えなかったのだが、シロナさんのガブリアスはミロカロスを倒す程強かったので、これならいけるだろうとモルペコを繰り出した。
結果、モルペコさん瞬殺してたけど。
兎
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