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手持ちのポケモンが何だかおかしい
2話 シンオウチャンピオン戦
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 グレイはすぐに来た。
 瞬く間にバッチを集め、ポケモンリーグを制し四天王を下した。


「楽しみね」


 グレイが来る可能性が出来たあの日から、シロナは今のままでは負けると過酷な修行を行った。
 本業である考古学そっちのけで、只管に強さを求めた。
 思えば、ここまでトレーナーとして強さを求めたのは初めてだろう。
 今までが本気じゃなかった訳じゃない。
 シロナ程の才能があろうとも本気でなければ、チャンピオンになどなれてはいないだろう。

 それでも、本業が別にあるというのが現状だった。
 そうなればどうしても全ての時間と熱量をポケモンバトルに費やす事は出来ない。
 そして、その状態でもシロナはシンオウ地方においては最強だった。

 だがその最強を脅かす存在が目の前に迫っている。
 そんな状況になって、初めてシロナは全ての時間と熱量をポケモンバトルに費やした。

 間違いなく、今のシロナは過去最強だ。


「カブ」
「ふふ、貴方も楽しみなのね」


 常に隣で支えてくれる相棒(ガブリアス)を見る。
 その顔は獰猛に笑っていた。


「行きましょう。絶対に勝つのよ。貴方と、いや貴方達と私で」


 不安はなかった。
 あるのは最強の挑戦者と対戦できる感謝と喜びだけだった。



 ────ー




『いよいよ始まりました。ポケモンリーグを瞬く間に制し、四天王すらも3体の手持ちのみで圧倒した実力は本物だ!遂にこの日、無敗の伝説シンオウチャンピオンが敗れるのか!?最強の挑戦者ホウエン地方、カントージョウト地方チャンピオン。グレイィ!』

『対するは我らがチャンピオン。長きに渡り、無敗を貫いてきたシンオウの伝説!最強の挑戦者すら倒して、シンオウこそが最強だということを証明してくれるのか!?シンオウチャンピオン。シロナァ!』



「貴方がグレイね。初めまして、シロナよ。貴方と戦えるこの日を、私は待ち侘びていたわ」

「そうか」

「あら、最強の挑戦者は随分と無口なのね。それとも意外と緊張していたりするのかしら?」

「‥‥‥この場で言葉は不要だ」

「‥‥‥そうね。私達はポケモントレーナー。ならば後はポケモンバトルで存分に語り合いましょう」


 遂に、最強と最強がぶつかる。


『試合開始だぁっっ!』



 ────



 ここまでだと思わなかった。



『何という事だ。私は夢でも見ているのでしょうか。チャンピオンシロナ、残り手持ち1体に対し、挑戦者グレイの手持ちは6体のままだ!こんな事があっていいのか!?』



「こんな.こんな事ってっ」


 5体目の手持ちが倒されていく
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