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髪の毛の薄い天使
第五章
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「ですから。僕はです」
「僕と一緒にいてくれるんだ」
「友達になってくれますか?」
 クラスメイトはにこやかに笑って彼に願い出た。
「そうなってくれますか?」
「うん、僕でよかったら」
 彼は微笑んでクラスメイトに応えた。
「これから宜しくね」
「はい、それでは」
 こう話してだ。お互いに手を握り合った。そのうえで。
 二人は友人になった。彼はそのクラスメイトに誘われてその彼が所属する写真部にも入ってそこで素晴らしい、その彼と同じく人を正しく見られる人達と出会った。彼の人生は大きく変わった。
 そのことをだ。彼はあの古本屋で店長に話した。
 この日は日曜だが部活なので学校に出ていた。その帰りに店に寄ったのだ。
 それでクラスメイトや他の写真部の先輩に仲間達のことを満面の笑顔で話す。店長はその彼に対してこう言った。
「よかったね」
「何か嘘みたいです」
「今の状況がだね」
「はい、夢みたいです」
 そうだとだ。彼は店長に話していく。
「僕に友達ができて。それで頼りになる先輩もできて」
「いいことだね」
「ついこの前まで一人だったんですよ」
 この過去は今も覚えている。だがそれでも今はこう言えた。
「それがこうして」
「暖かい中にいることがだね」
「嘘みたいですよ、本当に」
 彼は明るい顔で話す。
「こんな状況になるなんて」
「多分ね。あの本がなかったらね」
「ワレンバーグさんの本ですね」
「君は友達の言葉を聞けたかな」
「無理だったと思います」
 このことは自分でもわかった。
「笑顔で声をかけてくれてきても」
「信じられなかったね」
「誰もが僕を馬鹿にしてからかうつもりだって思ってましたから」
「皆悪意があると思ってたね」
「世の中には悪意しかないと思っていました」
 裏切られて孤立してしまった人間が陥ってしまう心境だ。こう考えるようになってしまうと誰も信じられなくなる。
「善意なんてないと思っていました」
「そうだね。けれどね」
「世の中には悪意があればですね」
「そうだよ。善意もあるんだよ」
 それもまたあるというのだ。
「その両方があるからね」
「落ち込むこともないですか」
「ないよ。大事なのはね」
 それは何かもだ。店長は彼に話した。
「世の中には色々な人がいることだとわかることだよ」
「悪人もいれば善人もいるんですね」
「君を裏切った連中みたいなのもいればね」
「今の写真部の皆みたいな人もいますね」
「そしてワレンバーグさんみたいな人もいるんだよ」
 店長が薦めて彼が読んだその人もだというのだ。
「悪人もいれば善人もいるからね」
「そのことがわかることがですね」
「大事なんだよ。そのことを見極めてね
「はい、やっていきます」 
 彼は確
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