第13話:遅参勇者と焦る魔女A
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ので言えなかった。
(今は経験値稼ぎしか考えていないから……言っても無駄か)
マドノ一行が次に到着したのは、薬草の宝庫と呼ばれる草原だった。
そこを毒を得意をする巨大大蛸が占拠していると聞き、手下のゴブリン達を次々と斃そうと考えていた。
今のマドノ一行にとって、ゴブリンのEXは微々たる物だが、先程の港町が(グートミューティヒがツノクジラを倒したせいで)空振りに終わった事への憂さ晴らしも兼ねてゴブリンを数か月かけて一掃してやろうと考えた。
しかし、マシカルが軽装で例の草原を目指す青年を発見して慌てて声を掛けた。
「ちょっとちょっとちょっと!」
「ん?どうした?」
「この先にはモンスターが―――」
その途端、青年は大笑いした。
「へ?」
「あの鬱陶しい蛸なら、既に親切な娘さんが懲らしめてくれたよ。しかも2度も」
その途端、グートミューティヒが親切心からダンジョンを次々と奪還した事やマシカルが呪文詠唱している間は無防備なので防衛しなきゃいけないなどの理由で、なかなか攻撃が出来ないので怒りが頂点に達したンレボウが青年の胸倉を掴んだ。
「え?何?何か悪い事言った?」
「ンレボウ!?アンタ何やってんのよ!?」
マシカルが蒼褪めながらンレボウに問うが、ンレボウは聞く耳持たない。
「敵の数と配置は?」
「親切なお嬢ちゃんが既に」
青年はそれを言い終える前に顔面に打撃を叩き込まれ、勢いよく吹っ飛ばされる。
「敵の……数と配置は?」
静かだが怒りに満ちたンレボウの問いに漸く自分の置かれた状況を察した青年は後退りしながらも、
「既に親切なお嬢ちゃ」
それを言い終える前に顔面に打撃を叩き込まれ、勢いよく吹っ飛ばされる。
漸く青年の置かれた状況を察したマシカルは、マドノに助けを求めた。
「ちょっと!マドノ、ンレボウを止めて!」
だが、当のマドノは経験値稼ぎを(グートミューティヒに)散々邪魔されたストレスのせいか、青年の生死に全く興味が無かった。
「おい!?早くしないとアイツ死ぬって!」
マシカルの懇願は経験値稼ぎの場を奪われてイライラしているマドノは動かない。
その間も、ンレボウの青年に対する尋問と言う名の暴力を振るい続けていた。
「敵の……数と配置は?」
一方の青年は『逃げなければ』と命の危険を感じて逃げだそうとするが直ぐにンレボウに捕まり、
「敵の……数と配置は?」
凄まじい怒りと迫力に満ちたンレボウの4度目の問いに対し、
「空気読めよォ!」
と逆ギレする間も無く腹部に強烈な一撃を叩き込まれ、壁に打ち付けられる。
そして、青年はンレボウに首を掴まれ高く持ち上げられる。
とその時、
「それ以上やったら、お終いだろうが!」
マシカルがンレボウに向けて黒魔法を放とうとしていた。
自分達に向けて黒魔法を放と
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