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八条学園騒動記
第七百五十八話 偉いと思えるのはその三

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「何一つな」
「私もそう思いますが」
 セーラもだ。
「周りの人達も見て驚き呆れていました」
「そんなことで怒ってだな」
「叔父さんを殴ってやろうかと言ったり」
「掴みかかったりしたからだな」
「およそです」
 それこそというのだ。
「考えられないまでの」
「自制心のなさで気も短いな」
「そうですね」
「自分のことを言われて余計に怒ったか」
「いや、ニートで奥さんに逃げられてしかも何もないんじゃ」
 エイミーはそれならと言った。
「もうね」
「言われるわね」
 ジャッキーも言った。
「それこそ」
「甲斐性なしだしね」
「何が偉いか」
「もうね」
「傍目で見て」
 まさにというのだ。
「大したことないっていうか」
「駄目人間で」
「そんな家のこともね」
「言えないわよ」
「それで言われて」
「しかも自分の叔父さんで」
「身体を壊している人に」
 障害者の人にというのだ。
「言われて怒って」
「殴ってやろうか」
「しかも掴みかかったり」
「何なのよ」
「もう人間として駄目過ぎるでしょ」
「そうした人でしたので」 
 セーラも言ってきた。
「どなたもです」
「見放したのね」
「駄目だって」
「はい」
 二人にその通りだと答えた。
「そうでした、それに」
「それに?」
「それにっていうと」
「それで注意されましたが」
「ああ、全然なのね」
「反省しなかったのね」
「そうでありまして」
 セーラもいい表情になっていなかった、曇っていて明らかに嫌なものについて語る顔になっていた。
「やはり親戚の家に上がり込んでは」
「図々しく大飯食べて」
「只で」
「それでお風呂入って一泊して」
「朝も大飯で」
「しかも人のお部屋にです」
 セーラはその顔のまま話した。
「勝手に入ってです」
「本を漁ってたのね」
「無断で」
「しかも本を借りてもお礼も言わず」 
 そうしてというのだ。
「ほんぞり返って本の文句をです」
「言ってたのね」
「借りても」
「そうでした」
 こう二人に話した。
「ですから」
「それじゃあね」
「餓鬼にもなるわね」
「本は何の為に読む」
 ダンは言った。
「楽しむ、教養を備え自分を高める」
「その為ですね」
「読んで偉そうに批評することがだ」 
 それがというのだ。
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