第40話
[1/8]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
10月5日――――――
〜シーリーン砂漠〜
「…………ん…………」
「あら、起きたかしら?」
翌朝、アニエスが目覚めると車を運転しているマルティーナがアニエスに声をかけた。
「あ…………マルティーナさん…………おはようご――――――」
マルティーナに返事をしようとしたアニエスだったが周りの景色――――――砂漠を目にするとマルティーナへの返事を忘れて周囲の景色を興味ありげな様子で見つめた。
「シーリーン砂漠…………教科書で読んだ…………」
「んん…………」
「…………へっ、悪くねぇな。」
アニエスが砂漠を見つめて呆けた様子で呟くとちょうどフェリとアーロンも起き始めた。
「ちょうど砂漠に入った所よ。――――――ああ、ヴァンさんは起こさないでね。1時間前に代わって仮眠を取り始めた所だから。」
「あ…………はい。」
「目的地まで後1時間くらいか…………運転代わるぜ、姉貴。」
マルティーナの言葉を聞いたアニエスはフェリの横で腕を組んで眠っているヴァンに気づくと頷き、車に備え付けているカーナビゲーションに記されている目的地までの時間を確認したアーロンはマルティーナに運転の交代を申し出た。そしてマルティーナはアーロンの身体に戻り、アーロンが車の運転を始めた。
「車が多いですね。」
「ええ、みんな映画祭に向かっているんでしょう。」
「ハン…………そいつも寝てるし折角だから最高速を試してみるかよ?」
少しの間運転するとサルバッドに向かい続けている車の数が多くなり、それを目にしたフェリの言葉にアニエスが自身の推測で答え、アーロンは口元に笑みを浮かべて冗談半分の提案をした。
「もう…………安全運転でお願いします。」
「地図によると…………あと1時間くらいですね。」
アーロンの提案に対してアニエスは若干呆れた様子で指摘し、フェリはカーナビゲーションを確認した。そしてしばらく運転するとサルバッドが見え始めた。
「あ、見えてきましたっ。」
「へえ、思ってたよりもデカそうじゃねぇか。」
「はい、オアシス湖を臨む伝統と革新の遊興都市――――――あれが、サルバッドですか。」
その後ヴァン達はサルバッドに到着した。
8:02――――――
〜遊興都市サルバッド〜
「わぁ、街の中に滝が…………!?」
「えへへ、驚きますよね。オアシス湖から汲み上げてるそうです。」
都市に入った途端に目にした人工の滝を目にして目を丸くして声を上げたアニエスにフェリは無邪気な笑みを浮かべて説明した。
「観光客も多そうだな…………で、どこに停めちゃいいんだ?」
「ふわ〜あ…
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ