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金木犀の許嫁
第二十四話 たこ焼きその九

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「私思うけれど」
「どうなの?」
「いや、ミズダコが人を襲うとかね」
 このことがというのだ。
「私としては驚きなのよ」
「食べものってイメージ強くて」
「だからね」
「それでなのね」
「もう蛸は」 
 それこそというのだ。
「日本人の中では」
「蛸は食べものね」
「それも美味しいね」
 そうした感覚でというのだ。
「本当にね」
「そうよね」
「だから襲うとか」
「考えられないのね」
 オーストラリアの娘も言った。
「そうなのよね」
「ええ」
 まさにというのだ。
「他にはね」
「怪獣になっても」
「全くね」
「怖くないのね」
「怖いと思う根拠がね」 
 これがというのだ。
「感じない位よ」
「蛸については、そうしたお話してると私も」
 オーストラリアの娘はここでこう言った。
「何かね」
「そんな風になった?」
「ええ」
 実際にというのだ。
「どうもね」
「蛸を怖いと思わなくなったのね」
「むしろね」
 そう思うどころかというのだ。
「美味しいってね」
「そうなったのね」
「日本にいて食べていたら」
「特に関西よく食べるしね」
「巨大蛸も食べれば何人分かって思って」
「もう団体で来たらね」
 夜空は笑って話した。
「もうね」
「片っ端から捕まえて」
「たこ焼きね」
 オーストラリアの娘に笑って話した。
「お刺身でも酢だこでも茹で蛸でもね」
「兎に角食べるのね」
「ええ、漫画でも蛸を怖いと描く漫画はないわね」
「美味しいとしか思わないのね」
「烏賊だってね」
 こちらもというのだ。
「釣り漫画で烏賊釣る場合もあるし」
「釣ってすぐには食べないわよね」
「寄生虫いるからね」
 夜空は即座に答えた。
「アニサキスね」
「あたると物凄く痛いのよね」
「そうらしいわね、私はあたったことないけれど」
 夜空はそうであるのだ。
「けれどね」
「あたると滅茶苦茶痛くて」
「物凄いらしいから」
 だからだというのだ。
「釣ってすぐにはね」
「食べないのね」
「食べるなら」
 それならというのだ。
「徹底的に冷凍するか細く切るか細かく切り身入れるか」
「そうしてアニサキス殺すのね」
「そうして食べないと駄目よ」 
 烏賊はというのだ。
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