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オズのエマおばさん
第十二幕その七

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「わし等は別にね」
「特別なことはしていないわ」
「そうなのに歌にしてもらうなんて」
「とても」
「お二人がいないとドロシーはなかったわ」
 オズマが恥ずかしがるお二人に言ってきました。
「今のね」
「そうですか」
「わし等がいないと」
「お二人がいてくれたから」
 だからだというのです。
「ドロシーは育ってカンザスにもね」
「いられた」
「そうなんですね」
「そしてカンザスにいたから」
「オズの国にも来られた」
「そうなりますか」
「若しドロシーがいなかったら」
 そうであったらというのです。
「私達は大切なお友達がいなかったのよ」
「僕はどうなっていたか」
「僕もだよ」 
 かかしと樵が言ってきました。
「ドロシーが動けない僕に油を差してくれなかったら」
「若し僕がドロシーと出会わなかったら」
「果たしてどうねっていたか」
「見当がつかないよ」
「ドロシーが来てくれて」
 オズマはさらに言いました。
「オズの国がどれだけ動いたか」
「全くだね」
「その貢献は素晴らしいよ」
「そのドロシーを育ててくれたから」
「オズの国の皆が喜んでいるよ」
「ドロシーはオズの国の王女の一人で」
 この国全体を治めている、です。
「私を助けてくれる首相でもあるのよ」
「そう、だからドロシーがいないとね」
「私達もどうなっていたかわからないわ」
 トロットとベッツイも言います。
「本当にね」
「見当もつかないわ」
「そしてね」
 オズマはカツレツ、豚のそれを食べつつ言いました。
「お二人もね」
「私達もですか」
「何かありますか」
「とても素直で親切で勤勉な人達だから」
 だからだというのです。
「皆が大好きなのよ」
「そうですから」
「だからですか」
「歌にもなるのよ」
「素晴らしい人は歌で讃える」 
 トロットは蛸のカルパッチョを食べつつお二人にお話しました。
「オズの国では普通なの」
「だからお二人もね」 
 ベッツイは鶏の唐揚げを食べつついうのでした。
「受け入れてね」
「そう言われても」
「どうもな」 
 お二人でお顔を赤くさせて言うばかりでした。
「わし等のことを歌うなんて」
「とても」
「カンザスでひっそりと暮らしていたから」
「何もない平原で」
「素直で素朴な心はそのままでいて」
 キャプテンはお寿司、鮪やハマチやウナギの握り寿司を前にお二人に笑顔でお話しました。日本酒が入った杯もあります。
「感謝をして受け入れるとね」
「いい」
「そうなんだね」
「ええ、そうしたらね」
 そうであるならというのです。
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