第二十一話 王達の来訪その十
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「獣でないならぬいぐるみだからな」
「そうか」
「そうだ、何度も言うが俺は嘘は言わない」
「言うと死ぬか」
「隠しこともしない」
「随分生きにくいと思うが」
ジェラミー=ブランエリはここまで聞いて思った。
「大変ではないか」
「俺は俺だ、思わない」
桃ははっきりと豪語した。
「生まれた時だからだな」
「そうなのだな」
「そうだ、全くだ」
「大変ではないか」
「俺はな」
「それは何よりだ」
ブランエリもそれならと頷いた。
「君が困っていないならな」
「俺がそうならだな」
「うむ、君は困難を困難を思わない様だしな」
「困難を感じたことはない」
桃井はこれまた正直に言った。
「生きていてな」
「一度もだな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「感じたことはない」
「まさに真の人物だな」
「こいつは大馬鹿野郎だな」
ヤンマ=ガストは桃井をここまで見て笑って言った。
「大物中の大物だぜ」
「大物?俺が大物で何かあるのか」
「そう言われて嬉しくないか?」
「誉め言葉なら嬉しいがまた言うが俺は俺だ」
「だからか」
「大物でもだ」
例えそうであってもというのだ。
「俺が俺でなくなるのか」
「いや、あんたはあんただ」
「誉め言葉になるか」
「そうなるな」
ガストも否定しなかった。
「それなら」
「なら嬉しい、その大物中の大物としてだ」
そうしてというのだった。
「さらに凄い奴になろう」
「そう考えているんだな」
「限りなく大きくなる」
「限りなくか、それならだ」
桃井のその言葉を受けてだ、ラクレス=ハスティーも言うのだった。
「貴殿は何を目指すのだろうか」
「人として大きな、器が宇宙の様にだ」
「大きくなるつもりか」
「宇宙は人から見ると限りがないな」
「あまりにも広いからな」
「その宇宙の様にだ」
そこまでというのだ。
「大きくなる」
「そして何をする」
「今はドクターマンを護りだ」
そうしてというのだ。
「脳人や他の組織に渡さない」
「ドクターマンのことは聞いていますが」
ハスティーは彼の名を聞いて話した。
「かつては新帝国ギアの首領で」
「今は土産物屋の店長だ」
「そうして暮らしていますね」
「だがその頭脳を狙ってだ」
ドクターマンのそれをというのだ。
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