第25話:夢の終焉……
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ンコperspective
何らかの方法でセインに操られていたネイ殿との決闘と介錯を終えた某達は、侍の矜持をまったく知らぬセインを討つべき敵と判断した上で、次の目的地を決める事になりましたが、
「恐らく、今から往ってもぐりじっとの王都で行われる円卓会議には間に合わないでしょう」
「円卓?」
「知らぬと?」
どうやら、フラウ殿もセツナ殿も円卓会議とやらには興味が無い様です。
「某が聞いた話だと、ぐりじっとには全国の大名が一堂に集まって今後の事について話し合う場所が在るとの事です」
「集まる?その『全国のだいみょう』とは『各国の代表者』で良いんだよな?」
なるほど……そこからですか。
やはりここは異世界。
「……ええ。大名とは、国を治める支配する者です」
「つまり、ウンコセインがグリジットに行くかもしれないって……いや、既にグリジットを出たと言う事か?」
セツナ殿は漸く理解してくれた様です。
「そこで、某はこの刀が有るおーさむを目指す事にしました」
「聖剣がオーサムに?」
「とは言え、おーさむは遥か北にあるそうです」
「北国だからな」
「で、ツキツバ様はそのオーサムに行ってどうするのです?」
某がおーさむでする事はただ1つです!
「セインと話がしたい」
無論、話の内容は既に決まっています!
皆が慕う勇者でありながら、何故侍の矜持を踏みにじるのか!
ただ……
「その前に、フラウ殿に頼みがあります」
「ツキツバ様のお役に立てるのであれば、喜んで!」
フラウ殿にそう言われた某は、座り込みながら耳を塞ぐノノ殿をチラッと見ました。
「ノノ殿を……村の者に帰したい」
「!」
「!?」
ノノ殿に関する某の意見に、フラウ殿とめぐみん殿は驚きを隠せませんでしたが、セツナ殿はいたって冷静でした。
「故郷に帰れ!……と、言う事か?」
「乱暴に言えはそうなりますな」
なにせ……某達はノノ殿の夢を壊す為におーさむに向かうのですから……
セインと共に魔王を倒すと言う夢を……
「では逆に訊きますが、この中に、セインを許している者は?」
セツナ殿は拳を握り締め、フラウ殿は悲し気に俯き、めぐみん殿は杖を握り締めておりました。
「おらぬのですな?セインを許す者は」
そう言う某も、ここまで勝つ気は有れど死ぬ覚悟が無い状態で戦地に向かうのは初めてです。
某達を死なせずにセインを討ち取りたいと!
ノノ殿がセインと共に魔王を討ち取りたいと願っている事を解っていながら……
「頼めますか……フラウ殿」
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