第四章
34.また……
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断続的に湧くスカルナイトを倒しつつ、赤黒い洞内をさらに奥へと進んだフォルたち一行。
「骨だッ」
また曲がり角を真っ先に曲がってしまったタクトが、大声を出して戻ってきた。
「さっきから何度も出てるだろ」
歩く位置の関係で彼の言葉を真っ先に受けなければならないシェーラは、うんざり半分、呆れ半分といった顔をしている。
「いや、骨が生きてるんじゃなくて、骨が死んでるというか」
「落ち着け。意味不明だぞ」
フォルたちが警戒して角を曲がると、そこには驚きの光景が待っていた。
「……!」
一面に広がる、おびただしい数の白骨死体。
フォルは仮面の中で目を見開き、絶句した。
白骨死体の大半は、服を着ていた。
フォルやタクトが着ているものと同じ信者服だった。
「……」
フォルの頭の中ではすぐに、大神官ハーゴンが倒され崩壊した神殿の跡地に戻ったときの記憶が呼び起こされた。
すぐに言葉を発せず、フォルはそのままフラフラと足を進め、間近でそれらを見た。
ところどころ、割れた仮面や折れた杖も落ちていた。
人間より一回り大きな白骨もあった。槍も落ちている。ゴールドオークか。
動物とおぼしき骨もわずかにあった。歯に牙らしきものがあり、キラータイガーと思われた。
「予想通りだな」
まだ言葉に詰まっているフォルに対し、ケイラスは淡々と現場を確認し、淡々と言った。
「ロトの子孫三人組はロンダルキアへ行く前にここを襲撃し、破壊神の像を強奪した。こちらの幹部や実力ある者は果敢に立ち向かったものの、主だった者は皆殺害されたと聞いている。その後体制を立て直せぬうちに、ハーゴン様の死。その瞬間、暴走したアンデッドが一斉に同志たちへと襲いかかったのだろう」
フォルの呼吸が荒くなった。ゼエゼエという音が仮面の外まで漏れる。
動悸も起こる。思わず右手で胸を押さえていた。
「大丈夫か?」
若アークデーモン・ダスクがフォルの背中に大きな手を当てた。
「は、はい。“あのとき“も、いちおうは、大丈夫でしたから」
しかし収まらず。
右手の指に力が入り、ローブにシワが寄った。
旧神殿が崩壊した後にも、無数の白骨死体を目にしている。このような景色は初めてではない。
なのに収まらない。
冷や汗が仮面から垂れ、赤黒い溶岩の光を反射して光った。
「君が言う“あのとき“……。その場では現実感がなかった。今はある。その違いではないか?」
長身のケイラスは足を止めてフォルを見下ろし、見透かしたように言った。
さらに彼は喋る。
「君は想像できるか? ここの信者たちは、君たちロンダルキアの神殿が戦いに敗れハーゴン様
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