八十五 息子と娘
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
代目火影はナルの意識では“木ノ葉崩し”で死んだはずだ。
だがナルトの言い分では生きている。
どういうことだ、と動揺する父親に対し、ナルトは何も言わない。仏心も出さない。
ただ、静かに告げるのみだ。
「人の記憶を操作するなんて烏滸がましいと思わないか」
その忠告は、ナルト自身にも向けられていた。
その一言を最後に、ナルトは踵を返す。
もう用はないとばかりに立ち去る息子の背中に、ミナトは手を伸ばした。
だが、足元で眼を醒ましかける娘を放っておいてはいけなかった。
それにナルトの言う通り、もう己に残されている時間はなかった。
早くナルの九尾の封印式を組み直さなければならない。
目覚めたナルの困惑顔を見て、ミナトは彼女を立ち上がらせる。
戸惑いつつも、自分を父親だと信じてくれた娘は、息子とは違って素直だった。
だからこそ、脳裏に過ぎる息子の顔を思い出しながら、ミナトは口を開く。
「ナル…落ち着いて聞いてほしい」
息子とそっくりで違う、青い蒼い双眸。
その瞳を覗き込みながら、四代目火影は意を決して言葉を紡いだ。
「君は、君には…────」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ