八十五 息子と娘
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に焦ったヤマト。
いずれも急いで木ノ葉の里へ向かっていた面々は里に辿り着く前に、偶然にも遭遇した。
自来也はいい。むしろ喜ばしいことだ。
死んだと思っていた三忍のひとりが帰ってきたのだから。
だが問題は大蛇丸だ。
里の抜け忍で大罪人である彼の登場に、ガイ班の四人は戸惑い困惑する。
一方、同じく動揺したヤマトだが、彼はすぐさま戦闘態勢に入った。
九尾が解放されただけでも厄介なのに大蛇丸まで乱入すれば火に油を注ぐよりも酷い結果になるのは明らか。
なんとしても此処で食い止めれば。
木ノ葉の里を目前にして、この場は混沌を極めた。
大蛇丸と敵対する彼らをどう説得すべきか、と自来也は頭を悩ませる。
三竦み状態となってしまったこの場をどう脱するべきか悩む彼は、こうなるように仕組んだ黒幕を知らない。
その正体が先ほど邂逅したナルトだということを。
ナルトは自らが自来也と大蛇丸の足止め役になっただけではない。
ヤマトと里外の任務にあたっていたガイ班の存在がすぐ傍にあることに気づいた彼は、彼らをも利用したのである。
ガイ率いるネジ・テンテン・リーが木ノ葉の里へ向かうルート。
封印術が解かれたことに気づいたヤマトが木ノ葉の里へ駆けつけるルート。
そして認識阻害の術を解いたことで里の異変に気づいた自来也・大蛇丸・アマルが通るであろうルート。
その三点が交わるルートを考え、鉢合わせするように仕向けたのだ。
更に、自来也と大蛇丸が里へ辿り着く直前に再び足止めされるように。
この場が三つ巴になったのは偶然ではない。
必然だ。
ただすぐ傍にいたからというだけで、三忍が木ノ葉の里へ向かうのを阻止する為に、何も知らない忍びを使う。
同じ木ノ葉の忍び同士でお互いに時間稼ぎをしてもらう。
波風ナルを英雄に仕立て上げる為だけに裏工作を仕込んでおいた張本人は、この三つ巴の場にはいない。
もう一つの目的を果たす為に、望まぬ再会を果たしていた。
そう──亡き実の父親との対面を。
「答えろ────四代目火影」
少しばかり落ち着きを取り戻し、冷静さを装う。
それでも同じ問いを再度投げかける息子から眼を離さずに、ミナトは暫く黙っていた。
やがて瞳を閉じ、代わりに口を開く。
「母親が息子へ伝えられるモノには、父親である俺は太刀打ちできない…だから、」
「ならば猶更、ナルに封じればよかったんだ!いや、そもそも…」
一瞬、チラリと牢獄内の九尾へ気遣わしげな視線を投げてから、ナルトは激昂する。
「この呼び名は使いたくないが…
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