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渦巻く滄海 紅き空 【下】
八十五 息子と娘
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く、重い嘆きだった。



「答えろ────四代目火影!!」





















泣き腫らした顔のアマルが、自来也と大蛇丸へ戻ってくる。
痛々しかったが、どうやらナルトの説得に応じたらしい。

ふたりで何を話していたのか定かではないが、大蛇丸の近くにおずおずと寄ってきた彼女を見るに、どうやら納得した様子だった。

ナルトの指示に従い、大蛇丸と共に木ノ葉の里へ向かう意志を感じ取り、自来也が目配せする。
ナルトには『木ノ葉崩し』での借りがある為、大蛇丸も渋々頷いた。


アマルが戻ってきてからすぐに、三忍ふたりは異変に気づく。ナルトが術を解いたからだ。
真実の光景を目の当たりにして、彼らは戸惑った。


地形が変わっている。
木々が薙ぎ倒され、地面は掘り返され、明らかに何かの戦闘の余波を受けたかのような惨状が周りに広がっていた。
更には遠目に口寄せ蛙の巨体が転がっているではないか。


見覚えのありすぎる蛙に、自来也の顔が険しくなっていく。
巨大蛙の横転に、地形が変わっている大地、何かから逃げるように飛び立つ鳥達。
いずれも、発生源は木ノ葉の里からだ。



自来也も大蛇丸も一度対峙したからわかる。
自来也は修行中に。
そして大蛇丸は天地橋で対立した際に。


九尾のチャクラ。その膨大さに圧倒される。
これほどのチャクラが漏れているということは封印は解かれたのか。
ナルは九尾化してしまっているのか。


疑問は尽きないが、なにより、何故、これほどの異変に気づけなかったのか。
仮にも三忍である自分達が、と内心己自身を叱咤するふたりには事実、何の罪もない。


あるとしたら、ナルトが原因だ。


ナルトとアマルとの会話は数分にも満たないと、自来也と大蛇丸は思っている。
いや、思い込まされていた。

実際はナルトの結界の術で時間も周囲の風景も認識阻害されており、木ノ葉の里の異変に勘づかれないようにされていたのだ。故に、彼らが異変に気づけたのはナルトが既にこの場から立ち去った後のこと。

ナルトの思惑通りに足止めされていた大蛇丸と自来也は先を急ぐ。
それさえもナルトの掌で踊らされているとも知らず。













「…ッ、大蛇丸!?」
「自来也様!?生きてらっしゃったんですか!」


木ノ葉の里へ向かう自来也・大蛇丸・アマル。
彼らと同じく木ノ葉の里の異変に気づいて急ぎ里へ帰還しようとしていた忍び達が鉢合わせする。

里外の任務にあたっていたガイ率いるネジ・テンテン・リー。
そして波風ナルの封印術が破かれて、解放された九尾の尾の数が手のひらに現れたこと
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