第一章
[2]次話
アンズーとの戦い
メソポタミアに伝わる古い話である。
この時神々はライオンの頭に鳥の身体を持つ鬼神アンズーに困らさせられていた、何とこの神がだ。
神々の王権とそれ以上の力をもたらす天命のタブレットを奪い取って去ってしまったのだ、それで神々は頭を抱えた。
「参ったな」
「あのタブレットには世界の運命も刻む」
「神々の王権をもたらすだけではない」
「そうした力もある」
「そのタブレットが奪われるとは」
「これは厄介だ」
「どうすればいい」
神々は頭を抱えどうすべきかと考えた、だがアンズーは極めて強くしかも今はタブレットの力があった。
「あのタブレットの力を使えばな」
「立ち向かう者を泥に変えることが出来る」
「例え神々でもな」
「それではどうすればいい」
「どうしてアンズーを倒すべきだ」
「そしてタブレットを取り戻すべきだ」
「そうだな」
ここで一柱の年老いた神が口を開いた、知恵の神エアである。
「ニヌルタならどうだ」
「ニヌルタか」
「天候と狩猟を司るあの神か」
「あの者に頼むか」
「アンズーを倒してもらうか」
「あの者に加えてだ」
エアは会議に列席する神々にさらに話した。
「彼の母ベーレト=イリにも頼もう」
「出産の女神の彼女にか」
「彼女にも頼むか」
「そうするか」
「彼女は息子を深く愛している」
ニヌルタ、彼をというのだ。
「だから息子の為に必ず知恵を出してくれる」
「その知恵も借りるか」
「愛情から来るそれを」
「そしてアンズーと戦うか」
「私も知恵を出す」
エアは知恵の神としても言った。
「そしてだ」
「アンズーを倒してか」
「タブレットを取り戻すか」
「そうするか」
「そうしよう」
こう言ってだ、エアは豊かな肢体を持つ中年の女の姿を舌出産の神と彼の息子に会ってアンズーの退治を頼んだ、するとだった。
ベーレト=イリはすぐにだ、見事な髭で顔の下半分を覆っている精悍で若々しい顔と身体の持ち主のニヌルタにアンズーと戦いタブレットを取り戻してくれる様に頼んだ、すると早速出産の女神がエアの予想通り知恵を出した。
「ニヌルタ、私に考えがあります」
「どうして戦うべきか」
「はい、まずは貴方の矢に毒を塗ります」
そうせよというのだ。
「これなら矢が当たればです」
「アンズーをそれだけで倒せますね」
「はい、それにです」
母神は息子神にさらに知恵を出した。
「アンズーを貴方の力の七つの悪風で押さえつけそして」
「それにですか」
「もう一つの力洪水であの鳥の住処を壊すのです」
「鬼神の家をですか」
「戻る家がなくなれば」
そうなればというのだ。
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