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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第208話:打たれる先手
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レたらただじゃ済まねえだろうよ」
「情報を警察か何かに売るつもりだったんじゃないのか? そう言う情報を提供すれば、幾らかは謝礼が入るだろ?」
「どうだったかな、奏?」
「んぁ〜……何か拳銃の場合は一丁押収ごとに10万円とか聞いた事あるけど……」

 段々と話が脱線しそうになっていたので、弦十郎は軽く咳払いして颯人達の視線を集めて話を纏めた。

「つまり、ジェネシスを支援している者が居ると言う事か」
「ジェネシスか、それとも彼女達をかは分かりませんけれどね。ただジェネシスには錬金術関連の知識が乏しいでしょうから、彼女達を使える様にする為に彼女達を仲介に別の組織と手を組んでいる可能性は無きにしも非ずでしょう」

 実際それはあり得そうな話だと思った。ジェネシスとしては、小間使いはともかく本格的な仲間とするにはエルザとミラアルクは心許無いと言える。だがこれが、別の組織との中継ぎとしても意味合いを持つのであれば話は別だ。その第三者組織からの助力を受け、暗躍や策謀を巡らせてこないとも限らない。雑魚だった琥珀メイジの練兵もそうだが、ここに来てジェネシスが本気を出してきたような気がする。

「問題は仮にそうだとして、何処の誰が支援しているかと言う事だが……」
「考えられるのは、これまで幾度となく干渉してきた米国政府……」
「先だっての反応壁五発射以来、冷え切った両国の関係を改善する為に進められてきた、月遺跡の共同調査計画……疑い始めたら、それすらも隠れ蓑に思えてきてしまうわね」

 先の戦いにおいて、米国が無断で反応兵器を使用した挙句にそれで自国の領土を焼かれてしまった一件は人々の記憶にも新しい。あの一件で前大統領は退陣に追い込まれ、新たに就任した大統領は自国の政治家への不信を取り除く為に忙殺されている。

 表面上は関係改善の為に様々な協力をしている日本と米国……その裏で、米国が嘗ての覇権と栄光を取り戻す為力を付けて他国を出し抜こうとしていたとしても不思議ではなかった。つい最近米国空母がアルカノイズと魔法使いに襲撃されたりもしたが、それすらもパフォーマンスの一つと考えられなくもない。
 あおいの言う通り、疑い始めたらキリがなかった。

 暗中模索を絵に描いた様な先の見えない状況に誰もが押し黙った……その時、突如発令所に警報が響き渡った。何事かとあおいが即座にコンソールを操作し、警報の原因が何なのかを報告する。

「米国、ロスアラモス研究所が、ジェネシスの魔法使いと思しき敵性体に襲撃されたとの報せですッ!」
「何だとッ!?」

 ロスアラモス研究所とは、F.I.S.崩壊後に新たに発足された米国の先端技術の発信地点にして異端技術の研究拠点。先日の南極で発見された遺骸を運び込んだのもあそこである。
 そこがジェネシスにより
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