第一章
[2]次話
アクハトの弓
ダニルウ王の子であるアクハトは見事な弓を持っている、その弓は技術の神コシャルとハンスが造ったものだった。
「あれは元々貴女にと造ったが」
「それがなのね」
「ダニルウ王に是非にと頼まれてな」
コシャルは若く整った凛とした外見で長いさらりとした黒髪をたなびかせた気の強そうな顔の女神アナトに話した。
「あの者に渡した」
「そうなのね」
「アクハトは随分弓の腕があり」
コシャルは年老いた顔で彼のことも話した。
「神の弓も引くことが出来て」
「神に匹敵する力があるのね」
「しかも狙いは外さず次々にだ」
「弓を放てるのね」
「見事なまでにな」
このことを話すのだった。
「そうする」
「けれどその弓は本来は私の弓ね」
このことをだ、アナトはコシャルに確認した。
「そうね」
「その通りだ」
「なら私が取り戻すわ」
アナトは意を決した顔で言った。
「必ずね」
「いや、貴女はそう言うと」
コシャルはアナトが神々の中で特に激しい気性をの持ち主であることから若しやと危惧して言った。
「すぐに刃を向ける」
「それでこの度もなのね」
「アクハトを手にかけてもか」
「安心していいわ、今回はそうはしないわ」
アナトはコシャルに微笑んで答えた。
「私もいつもね」
「かっとはならないか」
「そして力に訴えないわ」
誓う言葉だった。
「貴方と私自身に誓ってね」
「そう言うか、ならな」
「いいのね」
「貴女のやり方でな」
それでというのだ。
「貴女の弓を取り戻すのだ」
「そうさせてもらうわ」
今度は悠然と笑ってだった。
アナトはコシャルに誓った、そうしてだった。
神性を隠したうえでアクハトのいる街に赴いた、そこで早速街にある巨大な石を弓から放った矢の一撃で粉々にしてみせた。
それを聞いたアクハトは彼女に興味を持ち早速呼んだ、アナトはすぐに応じ背が高く引き締まった身体の精悍で整った黒髪の若者と会った。
アクハトはすぐにだ、アナトに彼女が女神を知らず尋ねた。
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