第四章
[8]前話
「奥さんの親戚も」
「皆なのね」
「一緒にやろう、そうすればだよ」
「すぐに終わるのね」
「母さんは奥さん一人でやれとは言っていない」
妻にこのことを話した。
「それに家族は助け合ってこそだね」
「ええ、それはね」
「だったら皆でやろう、広い畑も皆でやれば」
収穫を行えばというのだ。
「すぐに終わるよ」
「それじゃあ」
「うん、今すぐやろう」
こう言ってだった。
実際にフン=フンアフプーは身重の妻を助けかつ彼女の家族親戚全員で力を合わせてそうしてであった。
家の玉蜀黍畑の収穫を全て行った、そのうえで夫婦揃って母神の前に出てだった。フン=フンアフプーは母神に言った。
「これでいいかな」
「ええ、まさか皆で力を合わせて」
「それでだね」
「やるとは思わなかったけれど」
「夫婦は助け合って、家族も」
「そして親戚も」
「そうだね」
こう母神に言うのだった。
「だからいいね」
「ええ、まさかだったけれど」
それでもとだ、母神は応えた。
「いいと思うわ」
「それならね」
「認めるわ、身重でも働こうとして」
イシュキックを見て話した。
「そしてね」
「そのうえでだね」
「家族親戚で助け合う。そうであってこそで」
家族そして親戚でというのだ。
「農業は皆で行ってこそ。そのこともわかったから」
「いいんだね」
「色々わかったわ、わからせてくれたから」
だからだというのだ。
「認めるわ」
「そうなんだね」
「幸せになりなさい」
母神は息子夫婦に微笑んで告げた、こうしてだった。
フン=フンアフプーはイシュキックと神界で幸せに暮らす様になった、すぐに子供も生まれその子供と彼女の両親に兄弟姉妹そして親戚も含めてだった。
皆神として農業をしつつ多くの実りも得てそこからも幸せになった、アステカやマヤと呼ばれる場所の古い話の一つであるがここに紹介させてもらった。
髑髏の子供 完
2024・1・12
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