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NORMA JEAN
第二章

[8]前話
「弱くて脆い心で」
「ああなったのね」
「不倫と科スキャンダルもあったでしょ」
「ケネディ兄弟とかね」
「そしてその最期は」
「色々言われているわね」
 自殺共他殺ともだ、正直私にはどちらかわからない。だがとても残念な最期だったと思うばかりだ。
「今も」
「そうなったのはね」
「ノーマ=ジェーンが出て」
「マリリン=モンローじゃなかったのかもね」
「マリリン=モンローが死んだんじゃなかったの」
「いえ、ノーマ=ジェーンという人が亡くなって」
 友人は私に答えてくれた。
「そうしてね」
「その人が演じていたマリリン=モンローも死んだのね」
「そうなるかもね、ノーマ=ジェーンはね」
「マリリン=モンローでもあったのね」
「ええ、そして二人は混ざり合って」
「死んだのね」
「そうも思うわ、ノーマ=ジェーンはもういないし」
 そうしてというのだ。
「マリリン=モンローもね」
「いないのね」
「そうよ、もうね」
 それこそというのだ。
「いないわ、そのことは確かよ」
「そうね、ノーマ=ジェーンが死んで」
「マリリン=モンローも死んだわ」
「一人が死んだじゃなくて」
「二人共死んだかも知れないのね」
「ええ、色気たっぷりの艶やかな女優さんと」
「気弱で引っ込み思案の人が」
 その二人がだ。
「一緒にね」
「亡くなったのね」
「そうかもね、だからマリリン=モンローのお墓に行ったら」 
 お墓参りにというのだ。
「ノーマ=ジェーンにもね」
「冥福を祈ることになるかしら」
「それがいいかもね」
 こう私に話した、そして私は後日彼女のお墓の前に来た時に彼女達の冥福を祈った。マリリン=モンローにもノーマ=ジェーンにも。


NORMA JEAN   完


                  2023・12・27
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