第一章
[2]次話
NORMA JEAN
ノーマ=ジェーンと言われてだ、私は誰かわからずその名前を言った友達に尋ねた。
「誰、それ」
「マリリン=モンローよ」
友人は私に微笑んで答えた。
「実際に誰それと思うでしょ」
「マリリン=モンローは芸名だったのね」
「そう、本名はね」
「ノーマ=ジェーンだったのね」
「実はこの人黒髪で」
友人は彼女のことをさらに話してくれた、アメリカンそれも一九五〇年代の彼女が活躍した頃の趣のバーの中で。
「染めてたのよ」
「金髪がお好きじゃなくて」
「実はね」
「それは意外ね」
「しかも派手に見えるでしょ」
その性格はというのだ。
「案外気弱で引っ込み思案で」
「女優さんなのね」
「だからエリザベス=テーラーに負けたのよ」
「ライバルだったのね」
「この人は凄く気が強くてね」
そうしてというのだ。
「それでよ」
「彼女は負けたのね」
「そう、マリリン=モンローはね」
「色気たっぷりの女優さんね」
「それで知られていたけれど」
それでもというのだ。
「実はね」
「外見はそうでも」
「そうした人だったのよ」
「素顔はそうだったのね」
「ノーマ=ジェーンって人はね」
「ずっとマリリン=モンローと思っていたわ」
私はそうだった、彼女はそうだと思っていた。
「けれど違ったのね」
「素顔はね」
「マリリン=モンローは銀幕の人だったのね」
「創られたね」
そうしたというのだ。
「その世界の人で銀幕を離れて」
「ノーマ=ジェーンになったら」
「黒髪で気弱な」
「そうした女の人だったの」
「そしてノーマ=ジェーンとしてね」
素顔でというのだ。
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