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神々の塔
第七十一話 龍神その三

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「ほんまな、そしてな」
「あたいもなのね」
「分身さんを通じてな」
 そのうえでというのだ。
「本体さんのことをや」
「知ることね」
「そうすることや」
「あれやな」
 メルヴィルは笑顔で言ってきた。
「相手のことを知って」
「自分のこともね」
「知ってこそな」
 そうしてこそというのだ。
「戦は勝てる」
「そうよね」
「敵を知り」
 そしてというのだ。
「己を知ってこそな」
「百戦危うからずよ」
「そやからな」
「神霊さんについても」
「戦うならな」
 それならというのだ。
「ほんまな」
「相手を知る」
「このことはな」
「絶対ね」
「そや」
 まさにというのだ。
「それが大事や」
「いつも話してる通りね」
「そういうことや、しかしな」
 それでもというのだった。
「ケツアルコアトルさんも色々ある神霊さんやな」
「そうね、偉大な神霊さんであるけれど」
「追放されたりな」
「人の姿を取れたり」
「しかもその姿がな」 
 メルヴィルは考える顔になって話した。
「白い肌で長い髭を持つ」
「白人のものだったしね」
「そう言ってええもんやったしな」
「白い肌な」
 芥川はケツアルコアトルが人の姿になった時のことを話した、この姿であることについて思うところがあり話すのだった。
「それで一の葦の年にな」
「帰って来ると言ってね」
「まさにその年にな」
「アステカにコルテスが来たのよ」
「白人で長い髭を持った」
「その人がね」
「凄い偶然やな」
 芥川は唸る様にして言った。
「それでそれがな」
「殷略に至ってね」
「僕等が起きてる世界の中南米を作ったな」
「そうなったわ、それであたいもね」
 アレンカールは自分のことも話した。
「ブラジルに生まれたわ」
「そやな」
「いい国よ、ただかつてのことはね」
「わかってへんな」
「かつてのブラジルはどんな国があったか。というかね」
「国があったかどうかもやな」
「わかってへんところがあるわ」
「ブラジルはそやな」
「メキシコにはアステカやマヤがあってね」
 こうした国々がというのだ。
「ペルーにはインカがあったけれど」
「ブラジルはな」
「わかってへんところが多いのよ」
「そやな」
「ブラジルの歴史はポルトガル人が来て」
「バルボアさんが発見してな」
「それからよ、それで今はね」
 起きた世界のブラジルはというと。
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