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神々の塔
第七十一話 龍神その一

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                第七十一話  龍神
 次に戦う神霊達についてだ、アレンカールは微妙な顔になって述べた。今の階は天空であり一行はそれぞれの乗る為の神具に乗っている。
 アレンカールは自身の空を飛ぶ神具ケツアルコアトルに乗って空を飛びつつだった、そのうえでの言葉だった。
「今度の神霊さんにね」
「私がいますね」
「ええ、遂に創世に関わる様な高位の神霊さん達が出て来て」
 それでとケツアルコアトルに話した。
「あんたもね」
「出て来ると」
「そうよ、言うならあんたは分身よね」
「あの方の」
「そうよね」
「それで、です」
 ケツアルコアトルはアレンカールに話した。
「私はご主人様の神具としてです」
「一緒にいてくれているわね」
「この世界に来てから」
「そうよね、けれどね」
「それはですね」
「ええ、複雑な気持ちよ」
 ケツアルコアトルにそうした顔で答えた。
「まことに」
「左様ですか」
「あたいとしてはね」
「それ言うたらな」
 羅が微妙な顔になって言うアレンカールに言ってきた。
「我かて同じや」
「あんたもなのね」
「この青龍偃月刀はな」 
 麒麟に乗ってその背から言うのだった。
「関羽さんのものやろ」
「あの人のトレードマークの一つやな」
「長い髭と赤兎馬とな」 
 この二つにというのだ。
「それにな」
「青龍偃月刀はやな」
「関羽さんのトレードマークでな」
 そうしたものでというのだ。
「それでや」
「その関羽さんともやな」
「近いうちに戦うけどな」
「それでか」
「微妙な気持ちや」
 関羽と戦う時を考えると、というのだ。
「ほんまな」
「同じか」
「そや、そやけどな」
 羅はさらに言った。
「そうしたことも受け入れへんとな」
「戦うことは出来へんな」
「そや」
 こう言うのだった。
「もうな、そやからな」
「それでなのね」
「もうな」
 羅はアレンカールに顔を向けて話した。
「神霊さんにまつわる神具持っててもな」
「分身でもなのね」
「ほんまな」
「気にしても仕方ないわね」
「気にすることはしてもな」
 トウェインも言ってきた。
「気にしてもしゃあないことはな」
「気にしないことね」
「気にしてもな」
 そうしてもというのだ。
「結局はな」
「どうにもならへんわね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
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