第百三十二話 餓鬼にならないならその十一
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「タコ部屋に入れてね」
「無理に働かせるの」
「この人お金ないと借金するらしいから」
「どうせ碌なところじゃないわね」
「まともなところじゃ貸してくれなくて」
定職がない、即ち返すあてがないということだ。まともな会社なら働かず金のない将来も見込みのない者に金を貸しはしない。
「親戚にたかってもね」
「貸してくれる人いなくなったのね」
「そのうえでお金遣い結構ね」
「荒かったの」
「自分の煙草や服にはお金使う人らしくて」
それでというのだ。
「家賃も滞納したけれど」
「お金遣いはそのままで」
「闇金に手を出したらしいし」
「余計に屑ね」
「そうした人だともうね」
それこそというのだ。
「お母さんが言ってたけれど」
「おばさんもその人のこと知ってるっていうか」
「八条グループでも有名だしね」
「グループ経営してる八条家が信者さんの天理教の教会にいたから」
「その人だから」
「うちの団地八条グループで働いている人と家族の団地だしね」
「だからね」
それでというのだ。
「お母さんも知っていて」
「悪い意味で有名人ね」
「それであの人はタコ部屋にね」
そちらにというのだ。
「入れてずっとね」
「働かせるべきっていうのね」
「そう言ってるわ」
「そうなのね」
「野垂れ死んだらそれまでだけれど」
それでもというのだ。
「生きていてね」
「無理にでも働かせるのね」
「そうしたらね」
「誰かのお金になるわね」
「その人には一銭も入れないで」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「親戚の人が貰うのね」
「そうしたらいいってね」
「それもいいわね」
一華も確かにと頷いた。
「本当に」
「でしょ?私もね」
「いい考えだって思ってるのね」
「正直どうにもならない人だから」
「無理矢理こき使って」
「それでお金を稼がせて」
そうしてというのだ。
「親戚の人がね」
「お金貰うのね」
「そこまで酷いと」
それならというのだ。
「もう何してもね」
「いいってことね」
「よくないと思うけれど」
かな恵はこうも言った。
「やっぱりね」
「そうよね」
「タコ部屋って裏社会に関わってる場合多いみたいだし」
「ヤミ金の返済とかね」
「そういうお話あるから」
だからだというのだ。
「いいとは思えないけれど」
「そんな人だと」
「本当にどうしようもない人で」
「迷惑にしかなっていないわね」
「だからね」
そうであるからだというのだ。
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