第百三十二話 餓鬼にならないならその八
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「そうした人がなってるって思うと」
「もうね」
「そんなことしたくなくなるわね」
「私達としてはね」
「お布施もね」
「ええ、お布施すべき人にね」
かな恵は眉を曇らせて話した。
「しないとね」
「そうよね」
「そうした人が餓鬼になってるって思ったら」
「布施餓鬼じゃなくて」
そうでなくというのだ。
「お地蔵さんとかね」
「お地蔵さんにお布施したら」
どうなるかとだ、富美子は言った。
「賽の河原で苦しんでいる子供にいって」
「その子達が助かるからね」
「しようと思うけれど」
そうなるがというのだ。
「それがね」
「餓鬼だとね」
「ただひたすら浅ましくて」
「人間としての美点なんて何もない」
「そんな人がなるから」
「そう思うとね」
かな恵はそれこそと言った。
「したくなくなるわね」
「勝手に苦しんでおけってね」
「なるわね」
「けれど私達がそう思っても」
留奈はここで仏教の僧侶の行いを思い出した、そのうえでかな恵に対してこんなことを言ったのだった。
「お坊さんはね」
「お食事の時に布施餓鬼するのよね」
「お米を数粒でもね」
「それで少しでも餓えない様にするのよね」
「凄いわね」
かな恵に心から思って話した。
「餓鬼にそんなこと出来るなんて」
「私だとね」
かな恵は自分の考えを話した。
「そんな人がなるって思ったら」
「その時点で、よね」
「嫌だって理由言って」
そうしてというのだ。
「絶対にね」
「しないわね」
「義務なら仕方ないけれど」
「進んではしたくないわね」
「凶悪犯なんて助けなくないし」
彼等もというのだ。
「それでそこまで浅ましくて」
「いいことなんて何一つしてこなかった人にね」
「お布施なんてね」
そうしたことはというのだ。
「絶対によ」
「したくないわね」
「お地蔵さんやご先祖様にはしても」
ご先祖にとは墓参りのことだ、かな恵の家も欠かしておらずかな恵自身時間が許せばかならず参っているのだ。
「餓鬼にはね」
「したくないわね」
「餓鬼になってずっと苦しんで」
「それで生まれ変わって欲しいわね」
留奈も言った。
「是非ね」
「そうよね」
「餓鬼は物凄く浅ましい人がなる」
「今お話している人もで」
「そうだって思うと」
「したくないわよ、けれどそれが出来る人は」
布施餓鬼をというのだ。
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