第12話:ピカチュウの大機転
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
くんだ?」
それに対し、隊長は冷静に戦況を観て何らかの目論見が浮かんだ。
「今の内なら……姫様を助け出せるのでは?」
「え?」
隊長の思惑に困惑する軍隊。
「……あの娘はどうするのです?」
「バカ!声が大きい。この好機を逃す気か?」
「ですが―――」
だが、軍隊の困惑に反し、隊長の目論みを察したかの様に微笑むグートミューティヒ。
「ん?」
「おーい!こっちだぁー!」
グートミューティヒの声に反応して鉄球を投げつける大男だが、グートミューティヒはそれを簡単に避けて光弾を放った。
「エンジェル!」
「クドイ!」
グートミューティヒが発射した光弾は雷避けの盾に阻まれてしまったが、怪我の功名とばかりにアムが放った雷が大男の背中に命中する。
「があぁーーーーー!」
「こんな金ピカ鎧を四六時中着てたら、雷に弱くなるわな!」
それを視たグートミューティヒは、隊長の顔を見ながら力強く首を縦に振った。
そして、静かにかつ力強く命令する。
「行くぞ。この隙に姫様の許に向かうのだ」
だが、グートミューティヒと隊長はダイスケの存在を失念していた。
「あ!?お頭!お頭!あいつら逃げやすぜ!?」
ダイスケに見つかってしまった隊長が悔しそうに苦虫を噛み潰した様な顔をした。
「ぐ!?しまった!」
「あの馬鹿!エンジェル!」
勢い余ってチクリを犯したダイスケに向かって光弾を放ってしまうグートミューティヒ。
そんな隙を見落とさない大男は、最後の手段に打って出る。
「くらえぇー!」
大男の最後の手。それは、頭頂部を前に突き出しながらのタックル頭突きだった。
「うわ!?うわぁー!」
それに気付いたグートミューティヒが慌てて走る中、
「ピカ?」
ピカチュウは大男の何かに気付き、大男の背中に飛び乗った。
「ピィー……カアァー!」
「ゴオォーーーーー!?」
ピカチュウの渾身のでんきショックのもがく苦しむ大男を尻目に、ピカチュウは大男の兜を奪って乱暴に投げ捨てた。
「ピカ!」
ピカチュウが兜を奪って投げ捨てた事で、大男は兜に隠した素顔を晒す事になったが、
「……え?」
「あれは……確か……」
「ちょ!?」
「お……お頭……まさか……」
大男の正体に敵味方関係無く驚いた。
何故なら……
「サイクロ……プス……」
そう!
山賊を束ねていた大男の正体は、単眼巨人の『サイクロプス』のメスだったのだ。しかも、絶世の美少女である。
「え?……は!?」
サイクロプスのメスは自分の声が変わっている事に気付いて慌てて兜を探すが、もう何を言っても引き返せない位置にいた。
「あー、なるほどね♪人間のフリして山賊や犯罪者を操って、上手い事魔王軍に都合が良い展開を造り出そうと……そう言う訳ね?」
しまったと思ったサイクロプスのメ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ