第三百五十四話 リオ=グランデ川からその五
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「すぐに別の組織にしたい」
「自警団は駄目なのですか?」
漁師はオコナーの今の言葉にエールを飲む手を止めて言った。
「それは何故でしょうか」
「治安を守っているのです」
社長も鯉のムニエルを止める手を止めて言った。
「それはいいことでは」
「自警団を統制してるのは何か」
オコナーは白ワインを飲みながら二人に答えた。
「一体」
「正義感です」
「義侠心です」
二人は即座に答えた。
「人々の為に身体を張って戦う」
「その心です」
「心は変わる」
オコナーは鮭のカルパッチョ、よく冷凍してから解凍したうえで調理したそれを食べつつ二人に話した。
「義侠心が変わってな」
「それで、ですか」
「悪心を持つ」
「そうなるとですね」
「自警団は変質するというのですね」
「そうなったらマフィアになる」
そうなることを言うのだった。
「実際この世界でもあるやろ」
「言われてみますと」
「そうですね」
二人も確かにと頷いた。
「戦闘力という権力を持っていて」
「それを暴力に用いれば」
「そうなればです」
「まさにマフィアですね」
「そや、マフィアになるさかいな」
だからだというのだ。
「あかん、それでや」
「自警団ではなくですか」
「他の組織にされますか」
「あらゆる場所に法が必要や」
オコナーは強い声で言った。
「それでや」
「オコナー様の組織もですか」
「法が及ぶ様にされますか」
「そや、ここはな」
二人に考える顔で話した。
「旗揚げしてな」
「そうしてですか」
「勢力になられますか」
「ニューメキシコ州の水運を守る」
「そうした勢力となられますか」
「このアルパカーキを拠点としたな」
そうしたというのだ。
「水軍を以て戦うや」
「勢力になられますか」
「その様に」
「そうしてくわ、そやからな」
だからだというのだった。
「ここはな」
「旗揚げですね」
「それをされますね」
「それではですね」
「これからは」
「勢力を旗揚げするわ、そして」
それにというのだった。
「法も定めるわ」
「勢力は治めます」
「統治も行います」
「だからですね」
「ここはですね」
「法も定めるわ」
こう言ってだった。
オコナーは勢力を旗揚げした、そうしてニューメキシコ州の水運を守っていった。それは州全体に及んでだった。
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