第二十四話 たこ焼きその四
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「寮はお酒以外にね」
「おつまみもなのね」
「いつも何かあって」
そうであってというのだ。
「それでね」
「たこ焼きもあるのね」
「それで食べることがね」
「あるのね。それとね」
「それと?」
「蛸なら干物もね」
こちらもというのだ。
「するめと一緒にね」
「あるのね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「来日してから蛸もね」
「食べてるのね」
「そうなの」
「美味しいでしょ」
「ええ」
実際にというのだ。
「そうしているわ」
「むしろね」
夜空はオーストラリアの娘に話した。
「どうして海に面している国の多くで蛸を食べないのか」
「夜空ちゃんとしては不思議なのね」
「美味しいし」
それにというのだ。
「壺置いてたらね」
「入るのよね」
「習性でね」
蛸のそれでというのだ。
「自然と入って」
「捕まえやすいのよね」
「そうだしね」
「日本人は蛸を気持ち悪いとか怖いとか思わずに」
「美味しいってね」
その様にというのだ。
「思ってるわ」
「それで食べないのが不思議なのね」
「烏賊にしてもね」
「あの沢山のうにょうにょした足が」
「美味しいってね」
「思うのね」
「そうだけれどオーストリアも」
彼女の国もというのだ。
「四方海でも」
「シドニー辺りは色々な生きものいるわよ」
「それでも蛸を食べるって発想ないのね」
「ええ、大体ね」
オーストラリアの娘は夜空に笑って話した。
「オーストラリアって元々イギリスの植民地でしょ」
「あっ、イギリスっていうとね」
「四方海に囲まれてるけれどね」
「食文化はね」
「イギリスの子達皆言うでしょ」
「食べものは駄目だって」
「そのイギリスの植民地だから」
そこからはじまった国だからだというのだ、尚最初は流刑地であったということはこの国にとってあまりよくない話である様だ。
「それでね」
「食文化は、なの」
「まあそれなりに発展して」
「羊とか牛食べてるわね」
「けれど海の方はまだね」
そちらはというのだ。
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