第一章
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か。ではじゃ」
「どうしても行かれますか」
「そうしたい」
こう重盛に返す。
「それに子の刻じゃな」
「出るのはその時だとか」
「人がおる時ではないな」
「それはその通りですが」
「では行こう」
誰もいる時ではない、それならというのだ。
「それにそこにだけ一人で行けばいいのじゃな」
「それはその通りです」
「では途中まで御主と知盛、教盛じゃな」
平家の中でも武に秀でた者達の名前が出る。
「共にいればよいではないか」
「我等三人で父上をお守りしてですか」
「都を出てそれからそこにはわし一人で行く」
途中まで彼等を警護に連れそしてその場所は一人で赴くというのだ。
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