第二十一話 王達の来訪その六
[8]前話 [2]次話
「あなたがそう言うし」
「貰ってくれるか」
「あんたの信念があるからね」
代金を支払うというそれにはというのだ。
「だからね」
「そうしてくれるか」
「そうさせてもらうよ、それじゃあね」
「これからな」
「お昼にしようね」
明るく笑って早速昼食となった、ドクターマンは食べる時も表情は変わらなかったが美味いとは言った。
その話を聞いてだ、桐生は言った。
「あの人変わったよな」
「そうだな」
トリンは桐生のその言葉に頷いた。
「今はな」
「随分丸くなったっていうか」
「余裕が出て来た」
「そうだよな」
「人間味をだ」
それをというのだ。
「認めだしてきている」
「そうだよな」
「かつての彼は必死にだ」
そうした風でというのだ。
「人間性を否定していた」
「だからギアなんて組織立ち上げたんだな」
「人間の存在しないな」
「そうだったんだな」
「しかしだ」
そのドクターマンはというのだ。
「変わった」
「それでだよな」
「今そうしているのだ」
「いいことね」
結月は心から思って言った。
「あの人にとって」
「そうだな」
トリンは結月の言葉にも頷いた。
「そして世界にもな」
「二度とああしたことをしなくなるから」
「そうだ、そういえばだ」
ここでトリンはこうも言った。
「カオスも変わったか」
「そうだな」
ヨーグルトが応えた。
「前に比べてな」
「穏やかになった、いや」
トリンは弟である彼のことを考えて言った。
「元のあの男にだ」
「戻ったか」
「ラッキューロ達がいた時の様にな」
「そういえば急に変わったな」
ヨーグルトはトリンの言葉を受けてこのことに気付いた。
「デーボス軍の人材を入れ替えた時にな」
「そうだったね」
有働も言った。
「ラッキューロ達を追い出してからね」
「急にだ」
「冷酷になってね」
「おかしな風になった」
「そうなったね」
「だが今はな」
カオス、彼はというのだ。
「そうしたことはなくなりな」
「前みたいにね」
「仲間を大事にするな」
「そんな風になったね」
「そうなった、目的の達成が近付いたと思ってだ」
そうしてというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ