第二十一話 王達の来訪その五
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「それもかなりね」
「そうなのか」
「生真面目だね」
またこの言葉を出した。
「言っていいよ」
「そうなのか」
「いいことだよ、けれどね」
「それだけでは駄目か」
「その生真面目さがおかしな方に行ってね」
「ギアを立ち上げてか」
「ああしたことしたんだろうね」
こうも言うのだった。
「あんたは」
「真面目でな」
セッちゃんはそれでと話した。
「周りが見えてなくて余裕もなかったんだな」
「あの頃の私はか」
「だからな」
そうであったからだというのだ。
「ああしたことをしたんだよ」
「そういうことだな」
「あんたはもっと周りを見てな」
そうしてというのだ。
「余裕もな」
「あるべきだったか」
「ああ」
そうだったというのだ。
「その時はな」
「そうだったか」
「真面目はいいんだよ」
このこと自体はというのだ。
「けれど真面目だけでいいか」
「他のものも必要だな」
「人間にはな」
「だから今はか」
「余裕もな」
この要素もというのだ。
「備えていこうな、多分今のあんたは多少でもな」
「余裕があるか」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
「周りもな」
「見えているな」
「だからこのままな」
「余生を生きることか」
「長いだろ、その余生」
「機械の部分が多い身体だ」
それ湯にとだ、ドクターマンはせッちゃんに答えた。
「私が造った機械だしな」
「長持ちするな」
「だからな」
「あんた長生きするな」
「これからもな」
余生と言ってもというのだ。
「生身の人間の一生よりも長く生きる」
「それならだよ」
「余裕を持ってだな」
「周りも見てな」
「生きることだな」
「そうしなよ、あんたなら出来るよ」
ヤツデは笑顔で言った。
「絶対にね」
「そうなのだな」
「ああ、あんたは人間だよ」
紛れもなくというのだ。
「メカ人間の身体でもね」
「心はだな」
「私が思うにね」
「人間でか」
「そうだよ、だからね」
それでというのだ。
「今はね」
「昼食を食べるな」
「あとお菓子やジュースのお金は」
こちらはというと。
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