第三章
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二人と食べながら話をした後でだ、彼女は最近興味がある作家森鴎外のことを調べる為に学園の図書館に入ったが。
そこでだ、二年の女子の先輩達が話しているのを聞いていた。見れば二人共アフリカ系で明るい表情である。
「森鴎外って酷いわね」
「最低よね」
こう話していた。
「何かと」
「学校の授業で習ってるから調べてるけれどね」
「何処でもこんな人いるわね」
「日本でもね」
こう日本語で話していた。
「ケニアにもいるけれど」
「カメルーンにもよ」
「本当に何処でもいるわね」
「最低な奴はね」
「作家として凄くて」
「お医者さんでもあったけれど」
「それでもね」
そうした肩書があるがというのだ。
「調べるとね」
「最低よね」
「何かマザコンっぽいし」
「ファザコンでね」
「親御さんには頭が上がらない」
「ちゃんと言わない人でね」
まずはこうしたことが話された。
「肩書にやたらこだわって」
「爵位欲しがって」
「それで偉そうでね」
「出世欲の塊で」
「陸軍の軍医さんで」
公職ではその立場でありというのだ。
「出世しようしようで」
「軍医総監にまでなって」
「随分出世したけれど」
「そこに至るまでがね」
「卑しい感じするのよね」
「それで実績っていうと」
医師としてのそれはというのだ。
「脚気でやらかしたし」
「脚気菌があるって言ってね」
「白いご飯食べてばかりだとなるのに」
「そのことあくまで認めないで」
「海軍でそうだってわかっても」
「意地でも認めないでね」
「頑固に否定し続けて」
そうであってというのだ。
「結果陸軍じゃ脚気がそのままあって」
「大勢の人が亡くなってるし」
「このことでも最低よね」
「あの人ってね」
「しかも」
まだあった、森鴎外はそれだけ問題が多かったということか。
「お風呂入らなかったのよね」
「元々ドイツに留学して細菌のこと学んでたし」
「あのコッホさんに学んで」
「それであっちでも優秀だって知られて」
「帰国して権威になったけれど」
「あくまでそれにこだわって」
「脚気でもそれが原因だったし」
先程の話のことがまた言われた。
「お寿司も食べなかったのよね」
「職人さんが汚い手で握った生ものだからって」
「もう全否定して」
「それで食べなかったし」
「何かかえって不潔よね」
「お風呂入らないとね」
「身体拭いてただけ?」
「それじゃあ奇麗になってもね」
そうであってもというのだ。
「お風呂入るのと比べたら」
「ずっと、だしね」
「しかも舞姫」
ここで彼の代表作の話が出た。
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