女心は学ばなかった……
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きいのぉ……」
「何を言ってるんですか、流石に怒りますよ!」
「うわぁ……も、もう怒っておるよ!」
「諜報機関の総括に僕を据えたクセに、勝手に私的な案件で……よりにもよってグランバニアに諜報員を派遣したのが原因じゃないですか!」
「ま、まぁまぁ……そう言うなよぉ」
「外国の大金持ちの孫が、自身に絵画の才能はそれ程備わってないのに、ボンボンに育てられてきた事で自覚する事も出来ず、親元を離れた開放感からかなり好き放題をしている世間知らずな青年って……殆どの人達が僕の事を評価してるけど、そう評価して欲しいリュカ様だけは僕の正体に気付いちゃったんですよ。何の為にあんな使い勝手の悪い魔道車を購入したか……」
「……100万Gじゃったな?」
「そんな魔道車を乗り回しても、毎月の仕送りが10000Gでも……もうリュカ様の目には“情けない金持ちの坊っちゃん”は映りませんですからね」
「わ、悪かった……って……本当にすまん!」
「はぁ……もう良いですよ。それじゃぁ僕はそろそろ帰ります」
「何じゃ、もう帰ってしまうのか?」
「なんせ報告だけの要件ですから……『バレた』ってね」
「うっ……すまんって! それでも両親にも会わずに帰る事も……」
「魔道車に大金を注ぎ込みすぎてちょっとだけ口煩いんですよ。無意味な課金になってしまったのに小言まで言われるのは……ちょっと……」
「ワ、ワシが大いに甘やかしてる感を出せば……」
「お祖父様と一緒にお小言を頂戴するだけでしょう。今日は早々に帰った方が得策ですよ」
そう言い切って立ち上がり、僕は自身の鞄からRSを取り出す。
鞄の奥には来る時に使用したRSがあり、そちらの方はどのボタンを押しても何の反応もしない。当然だ……そっちはバッテリーが切れており、動かなくなっているのだからね。
だけど今取り出した方は動く。
当たり前だがまだ魔道結晶があり、故障もしていない。
その為この装置の仕様として、魔道結晶残量ゲージ部分に青いランプが点灯している。
このランプが点灯してない場合は魔道結晶切れで使用不可……
点灯していれば使用出来る分だけの魔道結晶があると黙認出来る様になっている。
RSは魔法ポイント(つまり移動先)の変更は何度でも出来るけど、変更方法が“行きたい場所に本体を持って行き機器を操作してその場所を記憶させる”なので、1台のルーラ・ポイントを頻繁に変える事は難しい……と言うより無駄すぎる。
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