第七百五十七話 麻薬がもたらすものその三
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「どうもね」
「やっぱりそうか」
「ええ、屑の匂いがね」
「するか」
「そもそも働いてなかったのね」
「奥さんに食べさせてもらっていたが」
そうであったがというのだ。
「それでも偉そうで奥さんに愛想を尽かされた」
「お仕事してない、収入なくて」
「食べさせてもらっていてな、尚料理も作らなかった」
「他の家事も?」
「どうもな」
「その時点で屑ね」
エイミーはここまで聞いて確信した。
「最早」
「料理を作っても甘い辛いと文句を言うだけでな」
「作ってもらった感謝もしないで」
「それでいて何も出来ない無能で学歴も経歴も資格もな」
「なかったのね」
「ただ家にいるだけだった」
そうした輩だったとだ、テンボは話した。
「それで奥さんに逃げられてもだ」
「煙草はいいの吸ってたの」
「他の人の為に何かすることはなくてな」
「お金のことでも」
「むしろよくしてもらっている人達にな」
「天理教の教会にも?」
「その仕組みがどうとか文句ばかり言ってな」
そうであってというのだ。
「感謝もな」
「しなかったの」
「それで親戚の家に急に行くと電話して」
テンボはさらに話した。
「お邪魔し鱒も言わないでふんぞり返った笑顔で来てな」
「私だったら来るなで終わりよ」
エイミーは忌々し気に答えた。
「もうね」
「俺もだ、しかも平気な顔で大飯食ってな」
「人のお家で」
「風呂入っていい布団出させて寝てな」
「一泊もしたの」
「朝飯も大飯でだ」
それを喰らってというのだ。
「帰ったらしい」
「滅茶苦茶図々しいわね」
「人の部屋に勝手に入って本を漁ったうえでな」
「家族でも嫌よね」
「そうしていた、そして自分がこの世で一番偉いとな」
「勘違いしていたの」
「奥さんが出て行った時に爪切りまで持って行ったと文句を言っていたが」
テンボは実に嫌そうにこの話もした。
「それでもな」
「爪切りってね」
エイミーは爪切りと聞いて軽蔑しきった顔になって言った。
「爪切りまでお世話になっていたの」
「奥さんにな」
「自分にお金ないから」
「働いていないからな」
「在宅ワークもしなかったの」
「家にいるだけだった」
テンボも軽蔑しきった顔で答えた。
「それでだ」
「いい煙草吸って」
「奥さんのお金でな」
「その頃は」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「離婚されて家を出られた時にだ」
「爪切りまでなのね」
「持って行ったとな」
その様にというのだ。
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