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得られない幸せ
第三章
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 多くの者がその国についてこう言うようになった。
「好きになれないな」
「ああ、嫌な国だな」
「何かあるとすぐに武力に訴えてな」
「批判したらいつも自分を正当化する」
「その批判も絶対に許さないしな」
「言論弾圧はする」
「大国の力も利用する」
 それが汚く見えたのだ。多くの者の目には。
「核兵器や化学兵器も持っているらしいな」
「持っていない筈がないだろ」
 それは確実視されていた。
「実際に戦争で負けそうになったら原子力発電所にジープが向かっただろ」
 それが何を意味するかはもう誰もがわかることだった。原子力発電所はエネルギーを供給するとは限らないのだ。
「使うつもりだったんだよ」
「流石に使わなかったがな」
「しかしな。いざとなれば平気で使うか」
「それで攻撃するか」
「どういう国なんだ」
「核兵器まで使うか」
「それも躊躇なく」
 このことも彼等のイメージを決定付けることになった。とにかくありとあらゆることにおいてだった。
 この国は剣呑な印象を持たれていた。何かあるとすぐに武力を使う国だとだ。多くの者が思うようになっていたのだ。
 しかしだ。彼等はこう言うのだった。
「我々を守る為には何でもする!」
「もう国を失ってたまるものか!」
「あの迫害の時代に戻ってたまるか!」
「生き残る為だ!」
「その為になら何でもする!」
「手段なぞ選ぶものか!」
 常にこう言ってだった。彼等は実際にあらゆる手を使って自分達の国を守っていた。謀略に武力に自己弁護、あらゆることをした。
 だがそうしたことをすればする程だった。世界の人々は思い言うのだった。
「嫌な国だな」
「あんな国なければいいんだ」
「揉め事ばかり起こす国だよ」
「他の国や人間のことは一切考えない」
「最悪の国だな」
「しかも助けてくれた人に対してもな」
 彼等は一応は恩義を忘れないと主張している。しかしだった。
「あの戦争で大国連中と敵対する立場だったからってな」
「誹謗中傷で貶めてくれるな」
「そんなことばかりしてくれるな」
「あの人達は独裁国家から御前等を守ったんだろうが」
「同盟国だったのにな」
 ある国のある指導者達は彼等を守ったのだ。迫害を受けて命からがら逃れてきた彼等に手書きのビザと発給し電車を手配して自国の勢力内に保護した。
 彼等を引き渡す様に同盟国の独裁者から要求があった。だが。
 その要求を突っぱねて彼等を守ったのだ。それにより彼等の同胞の多くが助かったのだ。だが、だった。
「それでも敵国だったからか」
「あることないこと主張してくれてな」
「それで貶めるか」
「事実を隠して」
「これではあの人達が浮かばれないぞ」
 遂にはこんな言葉も出た。
「恩義も何もない連中だ」
「そ
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