第七十話 妖精王その十
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「当然や」
「知識あるのが学者さんやから」
「そやからな」
「リー君頑張ってくれるんやね」
「ああ、ただ私も所詮人や」
リーは苦い顔になった、そのうえで綾乃にこうも言った。
「それで知らんこともや」
「多いのん」
「むしろ知らんことの方がや」
「多いっていうんやね」
「人の知識なんて限られてる」
こうも言うのだった。
「ほんまな」
「そう言われると」
「綾乃ちゃんも否定出来へんな」
「それこそ大海の中の匙一杯」
「人が知ってることはな」
「それ位やね」
「私も然りだ」
リーは自分のことを話した。
「ほんまな」
「知ってることはちょっとやねんね」
「そして私が知らんことを」
「うち等が知ってる」
「そんな知識も多いやろ」
「そやね、そう言われたら」
まさにとだ、綾乃はリーに答えた。
「ほんまにね」
「私が知らんことでもな」
「うち等の誰かが知ってることもあるわ」
「そや、それでや」
そうであるからだというのだ。
「十人全員でや」
「クイズに向かって」
「そのうえでな」
「試練を乗り越えるんやね」
「三人いえば文殊の知恵というけど」
「知識もやね」
「文殊の知識になる、それがや」
三人でそこまでになると、というのだ。リーは強い叡智を感じさせる声で仲間達にさらに話したのだった。
「十人やとな」
「文殊さんよりもやね」
「凄くなる、それでクイズ形式の試練もな」
「皆でやね」
「向かおうな」
「ほなね」
「正解のないクイズはない」
シェリルも言って来た。
「そやからな」
「ここはやね」
「十人全員でな」
「誰かが答えられへんでも」
「それでもや」
「別の誰かが答える」
「そうしていくんや、ドリトル先生は凄い知識があるけどな」
このことは事実だがというのだ。
「それでもや」
「そんな方でもうち等十人全員やと乗り越えられるね」
「そや、絶対にな」
まさにというのだ。
「それが出来るさかいな」
「クイズ解いていくんやね」
「十人全員でな」
シェリルは綾乃に応えてだった。
そのうえで問題を解いた、他の面々も入れ代わり立ち代わり自分が答えられる問題を答えていった。そうしてだった。
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