第百三十二話 餓鬼にならないならその四
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「言うまでもないし」
「とんでもなく不幸せね」
「そうだから」
それ故にというのだ。
「そうした人は反面教師にして」
「ああはなるまいで」
「努力していかないとね」
「駄目ね」
「何か仏教ってね」
この宗教はというと。
「反面教師多いけれど」
「そうね」
言われてみればとだ、理虹も頷いた。
「地獄もそうだし」
「餓鬼もね」
「悪いことしてるとどうなるか」
「それを見せるもの多いわね」
「何かとね」
「確かにね」
かな恵は考える顔になって言った。
「そうした宗教よね」
「そうしたところあるわね、しかしね」
「しかし?」
「いや、この人幾ら何でもね」
理虹は眉を顰めさせて言った、眉間に皺が寄っている。
「酷過ぎるわよ」
「幾ら毒親の人に甘やかされても」
「本当に何もね」
話を聞く限りはというのだ。
「いいところないから」
「そうよね」
「人間何かしらね」
「いいところあるわよね」
「どんな人でもね、けれどね」
そうである筈がというのだ。
「生きながら餓鬼になっていて」
「いいところなんてない」
「どういった育ちをして」
「それでどんな人生を送ったらそうなるか」
「そう思う位にね」
そこまでというのだ。
「酷いわ」
「そうよね、餓鬼になる位酷いって」
かな恵も否定せずに言った。
「そうはね」
「ないしね」
「そこまでなる人って」
それはというのだった。
「やっぱりね」
「どんな人生を送ったのか」
「何も努力しなくて」
それでというのだ。
「ただふんぞり返っていただけ」
「それでそうなるのかしら」
「今お話してると本当にそうした人生だったみたいだし」
「それでそこまでなったのね」
「ヤクザ屋さんは何故ヤクザ屋さんになるのか」
アウトローの世界の人達はというのだ、所謂悪事を生業として生きる様になるにもそれなりの事情があるものだ。
「そうなる様にね」
「生きてきたのね」
「それでその人も」
「餓鬼になるべくしてなのね」
「お母さんが毒親でね」
その親に甘やかされてというのだ。
「なったんじゃない?ただ元々がね」
「悪かったのね」
「地がね、そこにね」
「毒親さんがいて」
「さらに何もしなくてね」
そうした人生を送ってというのだ。
「遂にね」
「餓鬼になったのね」
「何かお料理もしないで」
そうであってというのだ。
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