第百三十二話 餓鬼にならないならその一
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第百三十二話 餓鬼にならないなら
かな恵はクラスメイト達の競技を見つつ一華達に言った。
「餓鬼にはなりたくないわね」
「絶対にね」
一華も言ってきた。
「いつも餓えて渇いてね」
「そうしたことに苦しんでね」
「お腹の中にね」
「寄生虫一杯いるのよね」
「そうなのよね」
これがというのだ。
「餓鬼って」
「それもただの寄生虫じゃなくて」
そうでなくというのだ。
「百足とか蜂とか」
「そういうのでね」
「凄くね」
かなりというのだ。
「あちこち刺されたりして」
「滅茶苦茶痛いのよね」
「だからね」
そうした状況だからだというのだ。
「いつも痛くてそっちでも苦しんで」
「あと爆発も起こって」
その腹の中でとだ、一華は嫌そうな顔のまま話した。
「痛いのよね」
「嫌よね」
「餓鬼ってそこもね」
「いや、それ以上にね」
ここでだ、富美子はこんなことを言った。
「食べられるものも」
「ああ、それね」
かな恵もまさにと応えた。
「出したものよね」
「そんなのね」
「絶対によね」
「食べたくないわよ」
「餓鬼になるって地獄に堕ちるより酷い?」
かな恵はこうも言った。
「まさか」
「そうかもね」
富美子も否定せずに頷いた。
「正直言って」
「そうよね」
「いつも餓えて渇いて」
「お腹の中の虫や爆発に痛めつけられて」
「それで食べられてもね」
「そんなものだから」
「もう餓鬼になるって」
それこそというのだ。
「地獄に堕ちるよりね」
「酷いわね」
「そして餓鬼になるのは」
「今お話してるみたいな」
「どうしようもない人ね」
「浅ましくて恥知らずな」
そうしたというのだ。
「どうしようもない」
「そんな人よね」
「そうなったら」
それこそというのだ。
「地獄に堕ちるよりも」
「悪いかもね」
「ああ、何かね」
ここで留奈が考える顔で言ってきた。
「六道ってあるでしょ」
「仏教の」
「お兄ちゃんが家で宗教学部に入ったお友達と飲んでてね」
「その時になの」
「その人が六道のお話をしていて」
仏教のというのだ。
「地獄よりもね」
「餓鬼道の方が悪いのね」
「そうした考えがあるってね」
「雅之さんにお話してたの」
「そうなの」
これがというのだ。
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