第39話
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…………」
(…………どの世界も種族違いによって発生する争いは変わりませんね。)
真剣な表情で答えたアニエスの話にフェリが頷いている中メイヴィスレインは静かな表情で感想を口にし
「つっても黒月あたりはその分、相応にやり返してるってのもある。そこら辺はお互い様かもしれねぇが。」
「へえ………?お前にしちゃ大人な意見だな。」
アーロンの意見に目を丸くしたヴァンは意外そうな表情を浮かべてアーロンに指摘した。
「るせえ、レッテル張りなんざ下らねえってだけの話だろ。そういう意味ではメンフィルには色々と気に食わない所はあるが、”全ての種族との共存”を掲げているメンフィルの考えには俺も文句はねぇ。」
「そうですね…………結局は”その人”でしょうから。でも、そんな風に考えられない人も世の中には少なからずいる…………」
「……………………」
アーロンとアニエスの話を聞いたフェリは目を伏せて黙り込んでいた。
「…………ま、東方系はミラを持ってるからその分軋轢も生まれやすいんだろう。逆に中東系は技術や学問なんかで昔からカルバードに貢献してきた。”ヴェルヌ社”に”バーゼル理科大学”…………どちらも中東資本や学問の影響がデカいしな。」
「私の曽祖父、C・エプスタインの三高弟と言われるL・ハミルトン博士――――――その方も中東系なのは有名な話ですね。」
「!名前は聞いたことがあります…………!でも…………きっとそれを快く思わない人たちもいる…………わたし、まだまだ勉強が足りません。」
「フェリちゃん…………」
「…………ハン。」
カルバードが長年抱えている軋轢に複雑な思いを抱えているフェリをアニエスは心配そうな表情で見つめ、アーロンは僅かに不愉快そうな表情を浮かべて鼻を鳴らした。
「ま、お前ら若い世代はそういう違いもあまり感じてねぇんじゃねえか?頭の固い連中なんぞに左右されねえで風通しをどんどん良くして行けよ。年寄りは茶でも啜って見守ってやるからよ。」
「ヴァンさん…………」
「もう、ヴァンさんだって十分若いんですから…………」
「ハン…………投げてんじゃねーぞジジイ。馬車馬のように道をならして、オレらを気持ちよくは知らせろや。」
ヴァンの言葉にフェリは目を丸くし、アニエスは苦笑し、アーロンは呆れた表情を浮かべて指摘した。
「鬼かてめぇ………あとせめてオッサンって呼べ!」
アーロンの指摘に呆れたヴァンはアーロンに反論した。その後ヴァンが運転を続けているとアニエス達はそれぞれ眠っていた。
(ったく…………寝顔はどういつもこいつも年相応だな。俺らにもこんな時期があったんだろうが…………)
アニエス達の寝顔をチラリと見たヴァンは苦笑しながら
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