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星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその三十四

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「しかしな」
「各国政府もですね」
「やはり警戒していますね」
「どうしても」
「油断は出来ないですね」
「確かに小国の大使は一軒家に入ってだ」
 これは連合から見てでありマウリアの平均から見れば豪邸である。
「そこから出ることは滅多にないが」
「それでもですね」
「エウロパの者達がいるので」
「警戒もしていて」
「例え外部のもの好きを募集に応じて送っていても」
「それでもですね」
「それなりの人物を送らないとだ」
 そうでなければというのだ。
「やはりな」
「務まりませんね」
「それなりの人物でないと」
「そうでなければ」
「エウロパの者達が常にうろついている」
 マウリアではというのだ。
「そのことを認識しないとな」
「そうでないとですね」
「連合各国の大使は務まらないですね」
「少なくとも全くの無能では務まらない」
「そうした仕事ですね」
「そうだ、そして我々をだ」
 自分達アウトカースト層の者達をというのだ。
「最早手放しでな」
「応援してくれていますね」
「階級と戦おうとしている我々を」
「左様ですね」
「有能な支持者は有り難い」
 ジャバルはにやりと笑って言った、それは政治的な力を得たことを確信した時の笑みであった。その笑みで言うのだった。
「それが他国の者であってもな」
「その通りですね」
「それだけ心強いことはありません」
「有能な支持者がいるとなると」
「それも手放しならば」
「尚且つ数も多い」
 ただ存在しているだけでなくだ。
「彼等は我々について好意的な情報を常に母国に流してくれる」
「そうしてですね」
「各国政府の支持を取り付けてくれますね」
「中央政府もその動きですし」
「このことは有り難いですね」
「実にな、しかしだ」
 こうもだ、ジャバルは周りに話した。
「連合はまことに階級が嫌いな国だな」
「それはありますね」
「兎角平等を愛します」
「人の社会に制度化した階級があることを嫌っています」
「それも何よりも」
「彼等は貴族も奴隷もない」 
 支配するものも支配される者もというのだ。
「制度ではな」
「それ故にですね」
「我々についてもですね」
「非常に好意的ですね」
「階級を嫌うが故に」
「時折カースト制度も批判している」
 ただし同盟国であるのでそれ程強くはない。
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